2011年2月11日金曜日

イナゴは素焼きに限る

 ―― 大正生まれの母が子供だった頃パート5 ――
 昨夜は義母の外泊であった。
 2月2日の“回想法”に書いたが、近頃、母は私に“昔の暮らしを教えてやらなあかん”という使命感を抱いたようで、思い出したことのメモをポケットに突っ込んで帰ってきた。
 私はというと、小学校区に田圃がなかったというほどの“町の子”で、脈略なく発せられる百姓の娘の記憶の断片を、とんちんかんに受け答えしながら深夜まで話し込んだ。
   『水車小屋の当番の日は(精米の作業を)搗きすぎないよう見に行かなあかんかった。
   『かき餅を作るカンナがあった。
   『牛を大きくしたら博労が子牛とお金に換えてくれるねん。
   『狐が鶏を獲りにくる。・・・・というような想い出が、順序関係なしに溢れてきた。
 そして、「家の裏に大きな岩があってん。この岩には神さんがおったんや。他所の者がこの岩に登ったときは神さんが怒って、その男が動けんようになりよった。」という話などは、もう100%遠野物語の世界だった。
 また、前に「イナゴを食べた。」と聞いたときは、当然に“佃煮にして食べた”のだろうとすっかり思い込んでいたが、よく聞くと、「獲ったイナゴは、畦に生えてる、先に小坊ちゃんの付いた草の茎で何匹も串刺しにし、それをかまどの灰の中に入れ、焼けたらパンパンと叩いて灰を落とし、それを自家製の醤油につけて食べたんや。」 というのが事実だった。

こういう「株きり」という道具やその
作業も母の講義で初めて知った

 人の話を生半可な知識や経験で判った様な顔をして思い込んではならないことを・・しみじみと反省させられた。



 
 
 

4 件のコメント:

  1.  スノウさん。隠居所でイナゴを食べるときは佃煮ではなく、一度「素焼き醤油付け」を試してみてください。
     なお、私が以前やってみたレシピは、一晩置いて脱糞させ、フライパンで炒って、砂糖と醤油で味付・・と言うもので、当時小さかった子供やその友達たちに「美味い美味い」と好評でした。

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  2. すみません。私の隠居所はもっと未開地でありまして、春は「毛虫」夏は網戸からも入ってくる「白い羽虫」秋は雄を頭から食べる雌「カマキリ」冬は触れば臭い液を出す「クサムシ」等に取り囲まれている所です。その他年中なんとも解らない黒い虫、クモ、トカゲ、アブ、蟻、ハチ、ムカデ。等々。我が隠居所の領地はヒトに恵みを与えてくれる以前の自然状態であります。今までどれだけ虫さされや草木のかぶれの薬、傷薬にご厄介になったでしょうか。でも・・人が入れば年単位で徐々に変わってきていると実感しています。良いか悪いか解りませんが「ヒト」に優しい山になって来ていると感じています。再度、山から自然からの恵みを戴きたいと思っている未開(人が利用尽くして放棄した里山)荒山の隠居所です。

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  3. 残念ながら隠居所の周りには「イナゴ」は居りません。春は毛虫、夏は夜になると網戸をくぐり抜けて灯りに寄ってくる白い小さな羽虫(電灯の下では食事は出来ません)の大集団、秋はうなり声のような羽音をたてるスズメバチ、冬はドンクサイくせに触ると悪臭の「クサムシ」その他顔にまとわりつく「アブ」又「クモ」「トカゲ」「ムカデ」大きい「アリ」茶色の「カマキリ」等々今までどれだけ傷薬、かゆみ止めの薬、草木のかぶれ止め薬にお世話になったことか。人々が利用尽くして放棄してしまった里山の荒廃地の中の隠居所です。でも、色々手を入れると周りの自然は年々ヒトに優しくなって来ていると実感しています。

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  4. う~む。「自然のアルバム」というか「続々新日本紀行」を聞いているようです。ところで一つだけ食材が飛んでおりますね。義母はスズメバチの子をおやつにしていたと申しております。ただし私は自分で料理をした経験がありません。

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