これは、先日来私が尋ねていた義母の小さい頃の昔話の続きらしく、ロール式の籾摺り機が出まわる昭和のはじめ頃までの古い古い籾摺りの方法のようで、そんな古い方法を実際に体験していたのだということを私に伝えておいて欲しいというものだった。
確かにこれは、昔の農作業はこうだったという現代史の枠を越えて、さらに古い、それはもう“近代史”の一齣に違いない。
それにしても、年齢とともに避けられない体力の衰えと併せて全般的な意欲の低下が顕著であったのに、この伝言には心底から驚いた。
先日ジュンク堂で何気なく老人介護の棚を見ていたら「回想法」という本が並んでいたが、もしかして、私のしていた「昔はどんなんやったん」は回想法だったのかも。
小難しい論文(回想法の本)で無くっても、人は自分の経験を興味を持って聞いてくれるのは嬉しいものなのだ。だから「こんなことも話してやろう」という意欲を何年ぶりかで引き出したのだろうと思う。
一般に、男の子は母親とそんな話をしないまま育つので、義母にしても実母にしても、近頃の昔語りを聞く会話はある種新鮮で此方の方がありがたいと感じている。
これからも急ぐことなく身近な近代を尋ね続けたい。宮本常一の歩いた日本はここにもある。
「おばあちゃんの若い頃の話をコンピューターに書いたから世界中の人が見られるねん」とブログを見せたら、「それはえらいこっちゃな」と笑っていた。
母が子供の頃手伝っていた「臼挽き(籾摺り)」の想い出は・・・
臼は上が木製で下は粘土で出来ていた。粘土の歯が減ってきたら職人さんを呼んで直してもらう。上から籾を入れて3~4人で棒を押したり引いたりして回転させ籾摺りをしたというもので、「それは力がいるねん」「しんどかったなあ」と溜息のようでもあり楽しい想い出のようでもあったらしい。
こんな臼を、右の絵のように 回していたらしい。 |
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