節分の日に、道真が 「このたびは 幣もとりあへず手向山 紅葉の錦 神のまにまに」 と詠った東大寺の鎮守社・手向山八幡宮のお田植祭(おんだ祭)があった。(奈良市無形文化財)
翁が農作業の所作を重ねながら神のご加護をお願いするという、お能などの芸能のルーツを実感させる神事であった。
圧巻は、稚児の牛が四方に向かって 「モ~ツ」 と啼くところで、現代っ子が照れることなく大声で啼く様子は可愛くて仕方が無かった。
神事で稲籾と餅と豆を高らかに撒いた後、参拝者に福豆の豆撒きも行われ、希望者には楠と松で作られた早苗(を模したもの)も配られ、ほのぼのとした中で終了した。
古いお面(きっと重文)、古い所作、鼓・鉦・謡のような祝詞の唱和等々、そして適度な規模の小ささ・・・遠くないこの地に住む贅沢を十分に堪能した。
その夜は、大きな声で 「鬼は外 福は内 戌亥の隅にどっさりこ」 と豆撒きを行い、恵方巻を丸かぶりし、食べた後の鰯の頭を柊に刺して玄関に飾り付けたのは言うまでもない。
妻も 「子供のいない家で大きな声もなあ~」 と言いながら、一緒に大声で豆撒きに付き合った。
我が家はここ数年豆撒きをやっていません。住んでいるマンションのどこの家からも豆撒きの声が聞こえません。(小さなお子さんがいる家もあるのですが)それと7階のベランダから勢いよく豆をまくと階下の道路でロシア領事館の警備をしている警官に「スワ、襲撃成らん」と勘違いされそうで控えています。ということで、今年は神戸南京町に行き、紹興酒で乾杯して中華風に「春節」をお祝いしてきました。
返信削除今年は太陽暦の節分と太陰暦の春節が重なりましたね。
返信削除東アジアで旧正月が祝日でないのは日本ぐらいですね。
明治政府がきれいさっぱり太陰暦を捨て去って脱亜入欧を目指した国が、21世紀にテレビで「今日の運勢」を占っているのは可笑しいですね。