2018年6月12日火曜日

中東のリアリズム

   「イラン人というのはペルシャ人であってアラブ人ではない」「シリアのアサド政権はイランと同じシーア派で圧倒的国民はスンニ派」程度の知識では中東問題は解けない。
 妻から「中東問題を解説してみて」といわれて話し始めたが、自分の中のデータが少な過ぎることをつくづく感じた。
 その気持ちは4月26日の「シリアの情報」にも書いた。

   戦場ジャーナリストでありNGOイラクの子どもを救う会代表の西谷文和氏は、現代中東諸国を実際に廻ってマスコミが書かない真実を教えてくれている。
 著書にサインをもらったから言うのではないが、その内容は目から鱗の連続だ。

 私は割り合い熱心な仏教徒(真宗)の家庭で育った。
 なので小さい頃から輪廻だとか生まれ変わりというような言葉を聴いて育った。
 同時に小さい頃から論理的な話が好きで、死んだ後の生まれ変わり説など信じなかった。
 しかし、私が死んだ後どこかで誰かが生まれることは間違いなく、この辺りは説明しにくいが、その子ども(の心)が私なら、今より格段に苦しく悲しい人生は嫌だなと思った。
 ということで、地球上で生起する苦しみや悲しみはなくしたいものだと感覚的に思って育った。という側面からも紛争や貧困には胸が痛む。

 それはさておき、先ほど目から鱗と書いたが、例えば、かつてイラクは「中東の日本」と呼ばれていて、人々は勤勉で技術力が高く、大学まで教育費は無償で、学力は中東トップクラスだった。首都バグダッドは「平和の都」と呼ばれていた。

 2003年イラク戦争の翌年、2004年に西谷氏がバグダッドのサドルシティーに入ったときにはモスクから「シーア、スンニの人々よ。団結せよ。団結してアメリカをイラクから追い出せ」と流されていた。
 それを血で血を争う宗派間の内戦状態にしていったのはアメリカだと、事実をあげて氏は指摘している。

 大阪では西谷氏の講演会があったり著書も買える機会は多い。
 中東問題は正確に理解しておかないと、強欲なアメリカ資本主義に騙される。
 彼らは中東の資源を手に入れ、武器の販売で大笑いしている。


   梅雨前線不条理な事件

 テレビのニュースは「何でそんなことが」と思うような事件を流している。この列島で農を忘れた人間が梅雨空の下で鬱になるのだろうか。

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