2016年7月24日日曜日

聖徳太子の伝説

   7月23日の朝刊から「法隆寺 創建期の木簡」という見出しが飛び出してきた。
 明治11年に廃仏毀釈で困った法隆寺が寺宝を皇室に献納した、その法隆寺献納宝物から文字の書かれた木簡8点が発見されたと、奈良文化財研究所と東京国立博物館が発表した。
 東野治之奈良大教授の「7世紀の木簡が地中に埋もれずに、リサイクルされて今まで残っていたのは奇跡的だ」とのコメントもあった。

 奇しくもその日、法隆寺にも関わる東野先生の講義があったので受講したが、先生も「もう少し早くから解っていたら講義内容を変えるのだったのだが」という話から始まった。

 講義のタイトルは「聖徳太子と法華経」で、聖徳太子の歴史上の人物としての実像の研究は隆盛の一方、太子をめぐる伝承の研究は低調であるが、それはそれで「太子は日本仏教の始祖」という太子信仰の成立過程の理解に大切な研究だという話だった。

 講義内容に触れる紙数はないが、聖徳太子は中国南北朝時代の高僧『慧思』の生まれ変わりという転生伝説の成立とその修正過程など興味深い内容だった。

 いつもながら東野先生の講義は論理的で私は好きである。
 なので、野球少年がスター選手のサインボールをもらいたがるように、私が以前から持っていた先生の著書(校注)『上宮聖徳法王帝説』にサインをいただいた。
 我ながら勉強以前の単なるミーハーだと反省している。

1 件のコメント:

  1.  1時間半ほど時間が工面できたので、ひょいと講義を受けてきた。
     下世話な社会問題等から超越したテーマの講義は精神をリフレッシュさせてくれる。

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