松下憲一著『中華とは何か――遊牧民から見た古代中国史』(ちくま新書)を読んでいる。相当以前に読み始めて未だ読み終わっていない。そんなに難しい本なのかというとそうではなく、私は通常2~3冊を併行して読んでいるが、いつ読んでも面白い本は後日電車の中ででも読もうと読むスピードが遅くなるためだ。
もちろんこの本は、現代進行形の高市首相の舌禍事件とは関係ない。
とはいうものの、変にリンクしていて感心している。
それは「外交」ということで、中原(ざっくり言えば中国中心部の平原)にも多くの王朝が並立したし、その外には、匈奴(きょうど)、鮮卑(せんぴ)、突厥(とっけつ)、契丹(きったん)、女真(じょしん)、蒙古(もうこ)、満州(まんしゅう)、・・西方には烏孫(うそん)、ウイグル、ソグド、・・・きりがない。
つまり、中華の王朝は、戦争をし、和解し、姻戚関係を結び等々と数千年の間外交を展開してきたわけである。
翻って日本の歴史を外交(の記録)にフォーカスして思い出してみると、百済や新羅を中心とした外交以外に見るべきものがない。海によって隔たれた島国という地勢が決定的であった。
ということで感じることは、たかが明治以降の夜郎自大の時代を懐かしむ安倍チルドレンの「外交」などは、大陸の群雄割拠にもまれた彼らから見ると赤子に見えはしないかと・・・
以上は、単なる個人の感想だが、現政権の幼稚さ加減には悲しくなる。

0 件のコメント:
コメントを投稿