2023年10月22日日曜日

原発と先入観

   21日付け朝日新聞の『オピニオン&フォーラム』のテーマは『そこにある先入観』で楽しかった。

 ジョン・レノンが「想像してごらん国境などないんだと」と作詞したように、国と国があり、その国のために人を殺したり殺されたりするのが未来永劫の真理のように信じ込むのも先入観だし・・・それはさておき、

 樋口英明さんは福井地裁裁判長として大飯原発3,4号機の運転差し止め判決を下した方。
 その方が、少なくない裁判官も含めて多くの人々が「原発問題は難しくて専門家以外には口が出せない」という先入観を持っていないだろうかという主旨の問題提起をされている。

 その主張を勝手に摘んでみると、・・・そして、そうではなく、「原発訴訟は複雑困難だと頭から決めつけないで、「原発を稼働しても住民の安全は確保されるのか?」と考えればよい。
 そうすると、原発の本質は、①人が管理し続けない限り事故になるということ、②事故が起きたときの被害は想像を絶するということだ。

 裁判では、それぞれの原発敷地ごとに将来到来するであろう最大の地震動が予知予測できるのかが問われた。
 現在の地震学では、将来にわたって基準値振動を超える地震が来ないという予知予測もできないのに、政治家や一部の学者が安全だというから安全だという先入観しか出てこなかった。

 さらにいえば、原発の本質は国防問題で、ロシアはウクライナ侵略直後ザポリージャ原発を攻撃し、ウクライナはここが攻撃されれば過酷事故が起こるとしてここを明け渡した。
 原発が戦争の標的となれば日本が壊滅する。つまり原発は「自国に向いた核兵器」だ。
 敵基地攻撃能力を説く自称保守派が原発の危険性について見て見ぬふりをしているのは理解に苦しむ。
 豊かな国土を守り次の世代に引き継いでいく。そんな本当の保守の精神があれば脱原発には容易に踏み出せる。

 先入観のことといい、非常に論旨明快で私は納得した。
 

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