2022年2月23日水曜日

潮の満つるがごとし

   死期はついでを待たず。‥前よりしも来たらず。かねて後ろに迫れり。‥おぼえずして来たる。(徒然草155段)

 知人の訃報が続くとどうしても気分が滅入る。

 しかしさすが兼好法師は厭世観に遊ぶのでなく、155段の前段で、必ず果たし遂げむと思はむことは、機嫌を言ふべからずと、やるべきことは時機を逃さず断固やり抜けとも言っている。

 さて、日本における新型コロナウイルスによるSARS(重症急性呼吸器症候群)は2020年の1月から問題になったが、そのせいで特に高齢者の民主主義的な運動は、集合して行動することが躊躇われ、軒並み中止を余儀なくされてきた。

 そのため少なくないケースではリモートによる交流や討論でそれを乗り越えようとしているが、一方「もう歳だから」と丸々2年の間「様子見」に終わり、中止だけを重ねているケースもないことはない。

 ここ数年病気による入院や手術が重なったのでどうしても人生その他を逆算する癖がついた。徒然草155段はそんな私を叱咤してくる。

 クロちゃんのギャグをもじれば「時間を返せ~」となる。何年経ったらリモート議論が可能になるのか。そんな議論をリモートででもやりたいが、受けてくれる人がいなくて悶々としている。「時間を返せ~」。


2 件のコメント:

  1. 気持ちは賛同です。コロナの終息が期待できそうにない中、このままで良いはずありませんよね。せめて、ラインのグループ作って連絡しあったり、意見交換できればいいのにと思います。

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  2.  年寄というのは歳をとった人ではなく努力や挑戦という気持ちを捨てた人だと思います。いろいろ挑戦して語り合いたいものです。

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