2022年2月20日日曜日

ドン・コサックの後裔

   このブログ記事が公開された段階(の日時)でウクライナはどうなっていることだろう。

 一般に、アメリカ発の情報には半分眉に唾を付けなければならないことが多いが、この件ではロシアが意見の異なる隣国に戦争を含む脅しをかけているのは明らかで、ロシアの態度は不当で許せないことである。

 「ウクライナから攻撃を受けた」とか「ドネツク《政府?》から要請を受けた」という口実で武力侵攻が起こらないことを祈る。ただし予断は許さない。もしそんなことが起きた場合は、読者の皆さんは満州事変を想起してほしい。

 1931年(昭和6年)9月に起こした日本軍の侵略戦争は、安倍晋三ではないが戦争ではなく事変と名付けられた。始まりは、奉天(現瀋陽)駅近くの柳条湖で南満州鉄道の線路が爆破されたとして、一瞬に奉天市をはじめとする南満州鉄道沿線主要都市を日本軍が占領したことから始まった。

 直後、奉天駐在総領事は内地の外務大臣あてに電報を打っており、それは公的な外交文書として残っているが、総領事は、参謀本部部長が極秘に来ていたこと、満鉄理事が大至急修理のためと思って工夫(こうふ)を派遣したが軍によって近寄せられなかったことから、「今次の事件はまったく軍部の計画的行動に出たるものと想像せらるる」と、謀略、フェイクニュースの本質を歴史に残している。スパイ組織KGB出身のプーチン大統領がこんな1931年の日本軍の謀略を真似ないことを祈る。

 ただ、対するのに「敵基地殲滅論」では核兵器所有大国ロシアと一緒に地球が「殲滅」されてしまうし、それこそ外交以外に答はないだろう。

  ウクライナのことは一般に報じられている以上のことはあまり知らない。ただ1986年(昭和61年)にチェルノブイリで起こった”こと”はスベトラーナ・アレクシェービッチさんに教えてもらって記憶に焼き付いている(風向きの関係で被害はベラルーシの方が大きいが)。

 「石棺」の中の20トン程の核燃料は今もそのままでどうなっているかは誰も判らない。その「石棺」は劣化しつつあり、崩壊すれば1986年以上の惨事が地球を覆う。なのに、その上にロシアは更にウクライナをイジメ続けようというのか。 

 彼の地のことについて外のことといえば、私の記憶ははるか60年程昔に跳んでしまう。それは・・・

 〽 久遠にとどろく ヴォルガの流れ
    目にこそ映えゆく ステンカ・ラージンの舟
   〽 ペルシャの姫なり 燃えたる口と
      うつつに華やぐ 宴(うたげ)が流る

 当時は何も知らずに歌っていたからドンコサックのステンカラージンだと思っていた。正しくはドン・コサックのステンカ・ラージン。(ただし、今もそんなに知っているわけではない) 

 先日テレビで親ウクライナ政府の民兵組織が報じられていたが、なんとなくドン・コサックの末裔のように感じた。 印象だが、ユーラシア大陸の騎馬民族はおおむね精悍な感じがする。

 【リフレーン】 現下のウクライナ問題では明らかにロシアが悪い。といって、さすがに日本会議系の自民や維新の政治家も「敵基地先制攻撃」だからといって「モスクワを空爆せよ」とは言っていないようだが、当然外交交渉で解決すべきだろう。NATOの問題とはいえ日本政府の外交能力の低さが歯がゆい。

0 件のコメント:

コメントを投稿