〽卯の花の 匂う垣根に
時鳥(ホトトギス) 早も来鳴きて
忍音(しのびね)もらす 夏は来ぬ
大きくなると持て余すので卯の花は植木鉢で育てている。より正確に言えばほったらかしにしている。
それでも、季節がくれば花を咲かせる。
とくれば、足らないのは忍び音である。過去の私のブログを見てももう来ても良いはずだが、今年はまだ聞いていない。
時鳥は托卵で有名だが、早く来ないと育ててくれる野鳥の子育てが終わってしまうのに。
「夏は来ぬ」の作詞は佐佐木信綱氏だが、一般に「佐々木」であるのに何故「佐佐木」かというと、元々は「佐々木」であったが訪中した際向こうの学者から「々などという漢字はない」といわれて帰国後改めたとどこかの本で読んだ。
明治~昭和の著名な国文学者だが、そのような知識人ほど中華文明に対するリスペクトがあったということだろうか。
私は「佐々木である。日本人である」といっても良いような気もするが、ここは氏のリスペクトにリスペクトしておこう。
実母が老人ホームに入居していた頃、母や同室の方々とよく歌を歌ったりした。
そのとき私がこの歌の3番の「おこたり諌(いさ)むる って何を怠ったのですかね」というと、入居していた認知症の方が「(この歌詞は)蛍雪の功でしょう」と答えてくれて感心したことを覚えている。
友人のフェースブックでは既に忍び音を聞いている。
待遠しいが、昨秋の台風以後どうも野鳥が遠くなっている。
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