2017年4月8日土曜日

隕石と原発

 人間、あんまり緻密に心配し過ぎると呼吸困難になる。結果、非科学的であっても一定の怖さを忘れて「なんくるないさー」と生きるのもあながち不正解というわけでもないような気がする。(???????)
 そんな折、朝日新聞が4月2日、科学の扉・・「想定外」を考える・・地球に小惑星衝突の危機という解説記事を掲載したから、少し心配事を思い出した。


   2013年2月15日、ロシア南西部チェリャビンスク近郊に落ちた隕石は、電気通信大柳沢教授によると、地球大気に秒速19キロで突入し、高度30キロで爆発。衝撃波が市街地を襲い、半径30~40キロの範囲で窓ガラスが割れ、1500人以上のけが人が出た。直径は約20m、爆発規模は原爆の約30倍だった。

 1500人の負傷者には全く申し訳ない言葉になるが、確率の話に限定すると、東京都区内の人口密度15,077人/㎢、大阪市内同11,980人/㎢に比して、チェリャビンスク41人/㎢は不幸中の幸いだったような気がする。(注※)
 しかし人間という奴は、この偶然のラッキーを感謝するするのでなく、危機管理を忘れて今がある。
 直系100mの天体が秒速20キロ、角度45度で大気圏に突入したときの衝突エネルギーは広島型原爆の4千倍と新聞には書かれていた。
 
 チェリャビンスクであったことが少しずれていて日本列島上空だったなら、いくつかの原発の電源は完全に喪失するだろう。
 で、日本列島が死の島となったとき、政府は「想定外だった」と声明を発表するに違いない。
 5月に、世界中の専門家が集まり、天体の地球衝突を議論する「第5回プラネタリー・ディフェンス・カンファレンス」が開かれるらしい。
 その折には天文学者はこう言ってほしい。それでも原発を再稼働しますか。

  ほんとうに不幸中の幸いだった。チェリャビンスクにはソ連の核施設があった。今も再処理施設として稼働している。もしそこに衝突していたらどうなっていただろうか。あまり知られていないがそこでは1957年9月29日に爆発事故があり、それ以前からの垂れ流し事故も含めて数百人が死亡していたが、それを世界が知ったのは32年後の1989年だった。爆発時の放射線飛散量はチェルノブイリ事故の40%程度だったらしい。・・・これでも私たちは、未来の〔ある日〕、「想定外だった」「私は知らなかった」というのだろうか。

   天体衝突の小論を読んで
   流星は線香花火規模がいい

0 件のコメント:

コメントを投稿