シリアのIS(イスラミック ステート)がパルミア遺跡や博物館を破壊したのは言語道断だ。アフガンのタリバーンがバーミヤンの大仏像を破壊したのも同じだ。
ただ、あまり報じられていないが、アメリカが北朝鮮に対するデモンストレーションのために大規模爆風爆弾MOAB(モアブ)を投下したアフガンのナンガハル州もガンダーラ仏教遺跡の宝庫である。
タリバーンの破壊行動に比してMOABの非道を批判する声の小さいのはなぜだろう。
結局、テレビに代表されるマスメディアのアメリカに忖度した報道姿勢で、「何でも知っている」と思いこんでいる国民の大多数が誘導されてはいないだろうか。
さらに私は、この遺跡がもし古代キリスト教の遺跡だったならトランプは投下しただろうかと考え込む。
そういうレベルの感慨を語ると幼稚だと笑われるかもしれないが、現代のアメリカが戦争を仕掛ける土地は「異教徒」の土地ばかりのように思え、イスラム原理主義のコインの裏側のように私は感じている。
ところで極東の「異教徒」の島国では、山本地方創生担当相が文化財の観光振興に関わって「一番のガンは学芸員。普通の観光マインドが全くない。この連中を一掃しないと」と発言した。
私はこの発言に驚きもしなかった。
なぜなら、奈良の若草山にモノレールを施設したりするのに反対する人々が主張した『奈良県風致地区条例でも「原則的に現状を凍結的に保存する」となっているではないか』という意見に対して、奈良県知事が県議会で『「凍結保存」は研究者の言葉であり、考古学一派の言葉だ』と以前に侮蔑していたからである。
ここには、そもそも事実に対する大きな無知がある。
圧倒的な学芸員も考古学者も「文化財は研究のみにある」などとは主張しておらず、それよりも「国民共通の歴史遺産は大いに公開展示する」と実際に主張し行動している。
なので、地方創生相も奈良県知事も、「それでは物足りない」「歴史は大河ドラマ程度で良い」「復元や展示はテーマパーク程度で良い」とする拝金教徒の本心を吐露したものだろう。
この国の文化財を破壊しようとしているのは自公維などの拝金教徒である。
花筏文化守れの声のごと
欧米人の考え方の基本にはキリスト教の宗教観があると思います。「ひろさちや氏」はユダヤ教の戒律のから自由な考え方を示して人の生活を優先するのを肯定し聖書の読み替えをを行い聖書を都合よく解釈されるご都合主義の危険性がキリスト教にあると言っています。ユダヤ教やイスラム教の原理主義は一つの絶対の神から示された原理に忠実に生きようとする考えや姿勢で本来の宗教は原理主義だと言っています。殺すな、盗むな等々の戒律を守るそれとご都合主義に堕しやすいキリスト教のほうが暴力的になりやすい例としてアフリカや南アメリカの人たちを奴隷としたり15世紀のローマ教皇は異教徒を永遠の奴隷とする許可を与え非キリスト教圏を侵略することを正当化し異教徒の土地と物品を所有する権利を時のポルトガル王に独占的に認めたりしています。ユダヤ教の聖書もイスラム教のコーランもそうした教えはどこにもない。しかしキリスト教徒は自分たちの都合で勝手に解釈し得手勝手に動くキリスト教のご都合主義の堕落が今もそういった危険性があるのではないでしょうか。
返信削除スノウさんコメントありがとうございます。非常に参考になりますがこの件を批評できるほどの知識がありません。ただ、自由主義・民主主義の代理人の顔をしているアメリカは、実は相当な宗教国家だと思います。アメリカの自由主義・民主主義に潜む暴力性は軽視できません。そして、復活を目指す日本の「国家神道」も。
返信削除