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これは日本病院会会長が厚労相等に要望書を提出すると伝えられていたものを追認するもので、早い話が病院の経営者の意見である。
「患者を見捨ててもよいのか」的なものの言い方は一見妥当なように見えるが、他人の命にかかわるような仕事は医師だけだろうか。
高度な技術社会では、病院の設備に対応すべき院外会社の労働者もみんな欠けてはいけないポジションでないか。
高齢者や障碍者の施設の介護職員だってそうだろう。
原発の保安職員はどうだ。
結局このように言い始めると際限はなく、こう言っては何だが、「労働基準法を守ったら労働者を首にしなければならない」などと居直る悪質経営者のそれと何ら変わらない。
ほんとうに緊急事態が起こったら「緊急の対応」があっていい。
それを労働基準監督署が「違法だ」として罰則の対象にしようとするなら「少し四角四面でないか」となるが、そんなことは起こり得ないと信じている。
すぐにアメリカの真似をしたがる為政者たちが、欧米の消防士や警官が労働組合を結成してストライキ権も行使している事実にはだんまりだ。
『看護婦のオヤジがんばる』の映画ではないが、先と同じような理屈で昔は看護師が無制限に働かされていた。
医師もインターンという名で無給で「奉仕」させられていた。
その後の「研修医」も長い間「滅私奉公」を求められていた。※
そういう視点から先の「見解」を見直してみると、早い話が医師の増員=人件費増を嫌がる三流病院経営者の我儘にしか見えないと言ったら言い過ぎだろうか。
※ 1998年関西医大滝井病院で研修医が過労死し、関西医大は「研修医は労働者でない」「研修のために自己責任で働いていた」と徹底的に非協力的だったが、北大阪労働基準監督署は「研修医も労働者である」「違法残業があり不払い賃金がある」「当該者は過労による死亡であるから労災である」と認定した。この事件の結果、日本中で研修医の酷使が一定程度是正され労働環境が改善された。これが歴史的事実である。先の2会長の見解はこういう歴史に逆らう大いに後ろを向いた見識だと指摘しておきたい。
今日通過あほでもわかる花前線
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