2017年4月22日土曜日

共謀罪、隣組、自警団

 流言蜚語というと私には極めて不愉快な思い出がある。
 小学生高学年のとき、隣のクラスの担任の先生が交通事故で亡くなった。
 休憩時間に、仲の良くなかった隣の組の集団が、「HはI先生の亡くなったのを笑っておった」と喧嘩を吹っかけてきた。
 すぐに私が「人でなし」のような噂が広まった。
 「I先生は姉の恩師でもあるから私が笑ったりするはずがないではないか」と強く反論してこの話は消えたが、流言の恐ろしさを小さいながらも思い知った。現にこの歳になっても覚えている。

 国会では法務大臣が答弁できないような共謀罪法案が審議されている。自公の絶対多数下では強行採決もありうる危険な状況で、声なき声をを声にして行かなければならないと思う。
 「心の中」を裁く共謀罪は、密告が重要な決め手になる。
 少なくないNHKの朝ドラの戦時下でも、隣組によるその種の密告の場面が多々あった。
 関東大震災では、それが自警団となって無実の朝鮮人が日本の庶民の手で虐殺されていった。(警察や軍によるものもあった)
 共謀罪のある社会は、庶民どおしを互いに監視させ密告させる社会となるだろう。
 そう考えるのが「歴史に学ぶ」ということだと考える。

 関東大震災の報告書を読みながら、共謀罪法案の恐ろしさを改めて噛み締めた。

   川柳  削除しても国会図書館に証拠あり       
 

4 件のコメント:

  1. 少年「H」の毅然たる態度に拍手!。前記事の句、上五の「街老いて、、」がイイです。これも拍手!。

    返信削除
  2.  ひげ親父さん、コメントでヨイショをありがとうございます。
     わが街は大阪市内から少々遠いところです。若い夫婦・・つまり小さな子供は通勤に便利な大阪市近辺にいるのでしょうか、わが街は街として歳をとっていて青空に鯉の姿はほとんど見られません。そんなことで、小さなお孫さんを連れた祖父母が我が家の前を散歩コースにして鯉のぼりを「見学」して行ってくれます。

    返信削除
  3. 共謀罪の問題点をいろいろ言われていますが、私は一番恐ろしいと思っているのは市民運動、住民運動が根こそぎ弾圧されることだと思っています。国民、市民の一切の権利が否定されるのではないでしょうか。原発反対運動は勿論、消費者運動も労働組合運動も出来なくなると思います。「テロ、テロ」といって何もかもテロに仕立て上げている風潮にかえって恐ろしさを感じています。そしてそれに流されている人間の愚かさに虚無感を感じています。

    返信削除
  4.  スノウさん、コメントありがとうございます。まさしく時代は戦前の気がします。安倍政権のモラルハザードを不問に付すマスコミの責任は重大ですが、その誤りを追及できない市民一人ひとりの責任もあるように思います。

    返信削除