2016年11月9日水曜日

なるほど

   「目から鱗」という言葉があるが、高橋千鶴子議員のツイッターで「なるほど」と思ったことがある。
 そのまま引用すると、『厚労部会と全日本年金者組合が、年金カット法案について、要請と法案レクをやりました。年金総務課長が対応。高齢者の年金減らすと、現役世代が支えなきゃならない。現役世代のため、というのは違うぞ!という発言に、なるほど。その逆もある。おばあちゃんの年金に頼ってる孫もいるし』というものだった。

 「為政者は庶民どおしを分断して統治する」というのは中学教科書レベルの常識だが、実際に、「人数の多い老人の厚遇で現役世代が損をしている」という主張はマスコミで繰り返され、それ故そのように思いこまされている現役世代も多い。
 だから、軍事費や大企業優遇の膨大な予算の無駄遣いをスルーして、「老人など既得権益者を許すな」的な維新の主張が相当程度受け入れらている。
 しかし高橋議員のツイッターは「ちょっと違うぞ!」といい、私は個人的に全くそのとおりだと「目から鱗」の感を強くした。

 というのも、私の父は高度成長が始まる前・・いわゆる「戦後」に他界したが、戦時中は大いに国策に協力し、貴金属をはじめ金属は供出し、預金は戦時国債に換え、最後は空襲で焼け出された。
 その記憶から、預金だとか保険などというものを一切信用せず、他界したときには保険・年金その他一切がゼロだった。
 その反省から、残された母は滑り込みの国民年金に加入したが、それは当然、最低レベルでしかなかった。それでも母は感謝していた。

 だから、働き始めてからの私は、ずーっと母を金銭的に支えてきた。
 当時はそれがほとんどの家庭で当たり前のことだったと思う。
 そこで私の子どもたちだが・・・・、おかげさまで私たち夫婦は子どもたちからの金銭的支援を受けずに今は暮らしている。
 つまり私が担ってきた金銭的負担は今の子どもたちにはない。
 だから、そのツイッターに大いに共鳴したわけである。

 個人の実感を世間の全てというつもりはないが、同じような経験は広くあるだろう。
 話を膨らませすぎるといけないが、非正規雇用の現役世代を親や祖父母の年金が支えている場合もあるのはツイッターのとおり。
 「年金は高ければ高いほど良い」というほど単純には考えないが、税金を応能負担にする、大企業優遇の税制を止めさせる、軍事費や利権に絡む無駄遣いを止めさせる、そうすれば現役世代の賃金も上がり年金も福祉も充実させられる。
 そして、その購買力は景気を回復させるだろう。
 世代間のバトルだ的な宣伝に惑わされずに、勤労市民が連帯・団結する以外に未来は開けない。

         木枯らしや嘘つくひとの多かりき

1 件のコメント:

  1.  この記事は相当個人的なケースかも知れない。事実、義父は厚生年金に入っていたし、そのおかげで義母は今も遺族年金を受給している。
     実父母の話は「年金」よりも「戦後の暮しの記録」という方がいいかも知れない。しかし、記事のとおり「年金を削れば現役世代の個々人が養う」ことになるだろう。
     その観点に「目から鱗」は変わりない。

    返信削除