2015年6月24日水曜日

田鶏

  蛙というと、鳥獣戯画を思い浮かべるが、古墳の壁画や銅鐸にも登場する。
 「鬼道を事とし能(よ)く衆を惑わす」(魏志倭人伝)の鬼道は古代の道教であるがその道教では蛙は月に住む神?ですらある。
 古人は、冬眠を繰り返す蛙に不死と再生を見たのだろう。
 どういう訳か娘は小さい頃から蛙のキャラクターが好きで、結婚して出ていった後も我が家には蛙の絵や形のいろんな物が残っている。
 1枚目の写真は妙心寺の蓮鉢。

 先日、東大寺法華堂の前の池からお馴染みの声が聞こえてきた。
  私などはウシガエルというよりも食用ガエルという方がぴったりくるが、ボー ボーという声はすれどもなかなかお目にかかれない蛙である。
 2枚目の写真は法華堂前の池。
 フランス料理では有名な食材で、それが故にフランス人の蔑称が、フロッグ、蛙喰い、蛙野郎というのも有名な話。
 その昔、程一彦さんが開いていた龍潭(リュータン)に田鶏(ティエンチー)を食べに行ったのも懐かしい想い出。

 3枚目の写真は新聞に投稿した吉城園のモリアオガエル。
  先日確認に行ったが、オタマジャクシは未だ後ろ足も出ていなかった。
 そう言えば、田植えの頃は夜に洗濯物を干しにベランダに出ると、遠くからだが大きな声が聞こえていたものだった。
 娘に感化されてその声を楽しく聞いたのも懐かしく感じるほど、時の流れが速くなっていく。

4 件のコメント:

  1. 河内では食用ガエル、ウシガエルのことを「しょっくん」と呼んでいました。食用ガエルが変化したものだと思いますが。堺でもレストランで食べた記憶が、足のモモのところを塩焼きだったか、から揚げだったか、鶏肉と云われれば信じていたでしょう。

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  2.  あたくし、生まれは中河内ですが「しょっくん」は聞き始めです。

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  3.  ネット上では『しょっくん』が出てきますね。但馬方言と書いてあるものもありました。
     牧村史陽編『大阪ことば事典』には出てきません。
     『しょっくん』をお知りの方はコメントいただければ幸いです。

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  4.  鴻池のT先輩から「子供の頃ショックンって言ってましたよ」とメールをいただきました。
     牧村さんも知らなかったことを知ったように思い少し楽しく思います。

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