2013年11月27日水曜日

知らないことは罪では?

共産・民主・生活・社民が反対、
自民・公明・みんなが賛成、維新が退場
  秘密保護法案が衆議院を通過した。
 通説に言う「由らしむべし知らしむべからず」で、民がお上のことを知ろうとすること自体を罪とする、前世紀の悪法が化けて出たものだ。(通説は論語の誤用とも言われているが)
 それ故に、歴史的と言っても過言でないような広範な人々から反対の声が上がっている。
 マスコミも遅ればせながら「懸念」を表明している。
 ところが、その中でテレビ、とりわけNHKの反応の悪さが特徴的だ。露骨な経営委員の恣意的任命が見事に効いている。
 これもあまりにワンパターンなのだが、テレビのニュースは法案通過と併せて『街の声』なるものを放映している。
 賛否をほぼ半々にして、「知らない」「判らない」という声でお茶を濁している。
 この声はマスコミが製作した街の声ではあるが、その原材料たる「知らない」「判らない」の声があるのも事実だろう。
 しかし、犯罪者が犯罪を犯している場に居たのに「知らなかった」人というのは、『事情を知らされなかった被害者』なのだろうか。
 この国に原発が造られていったとき、多くの庶民はその危険性を知らなかった。
 そして、フクシマの事故が発生した。
 「私は知らなかった」から責任はないのだろうか。
 あえて言いたいが、未だに帰る目途のない避難者たちに対して、「知らなかったから何もしなかった」人々は反省しなくていいのだろうか。
 百歩譲って、フクシマ以前ならいざ知らず、あの経験を共有したこの国で、テレビの向こうで「知らない」「判らない」という言葉を被害者然として語り、旧態依然とそのような波長で報道する現状にあえて異議申請を行いたい。
 「知らないことは罪ではないですか」と。
 私は「総ざんげ」のようなことを言いたいのではない。
 かつて大宅壮一氏は「テレビは1億総国民を白痴化する」と言ったが、「知らない」「判らない」という言葉を恥ずかしげもなく語る人をノーマルな庶民のように描き、結果として体制にすり寄るマスコミを「テレビというものはそんなものだ」というように達観したように語るのを止めないかと、私は言いたい。
 国会会期末まで、廃案目指して努力したいと思っている。

6 件のコメント:

  1. TVのインタービュー程、視聴者を馬鹿にした報道はないと思います。報道機関の好きなままに「やらせ」を含めて編集、放映が出来るのですから。そもそも「公正」「中立」などというメディアは存在しないと思っています。今の日本人は「考えない」「「考えられない」「目をつむる」「目をそらす」というTVにマイルドコントロールされていると思います。それでも「受信料」を払って、「CM漬け」のTVを見て話の話題にするのですから、こういうのを「ノーテンキ」と言うのだと常々思っています。

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  2.  大宅壮一氏の娘の大宅映子氏が「アメリカは中国や韓国には第一級の外交官や政治家を大使として派遣しているのに、日本には数ランク落ちるケネディー大使を送ってきてナメテイル。それを日本国民とマスコミは有難く騒いでいる。」と発言しているのを見ましたが、数々の政府委員として参画してきたあんたらがこのような国にしたんやろと、ツッコミを入れたくなりました。
     スノウさんご指摘のとおり、「考えない」「目をそらす」国民づくりにテレビの果たした罪は大きいと思います。
     その結果?と言えばいいのでしょうか、若者のテレビ離れが急速に進んでいるのは皮肉でしょうか。
     さて、新老人は如何に立ち振る舞うべきか。

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  3. テレビからは心がもう離れてしまいました。膨大な人材と資源を投入しながら、出来上がったのがこの程度というのが、今のテレビの姿ではないでしょうか。ぼくが知りたいのは賛成した議員はこの法案のことを知っていてみんなに説明できるのかということです。国会はもはや立法府に値しないのではないかという疑問すら浮かんできます。

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  4.  委員会審議の場に与党議員が一人もいない時もありましたね。
     考えの違いを論戦するならまだしも、絶対多数だから問答無用というのは一種のモラルハザードです。
     私たちは、政治の局面の与党を批判するだけでなく、こんな国、こんな社会や人生でほんとうに良いのかという話を提起しなければならないでしょう。
     真面目に生きたいという方々には共感していただけると思います。

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  5. 「諦めてはいけない」これは自分に言い聞かせていることばです。

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  6.  yukuriさん、同感です。

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