2013年11月16日土曜日

紫ご飯

  私は、毎年ほんの少しではあるが「ササゲ豆」を植えている。そして今年も植えて収穫も終了し乾しておいた。
  それをこの間、脱穀というのか豆を取り出したら圧倒的に豆が黒いのでびっくり仰天した。
 なお、一部の豆は例年どおり「あずき色」である。
 そういえば、「あずき色」の豆と黒い豆とでは莢(さや)の色も異なっている。黒い豆の方は莢が白くて薄くて豆を取り出しやすい。だから「あずき色」が乾燥しすぎて黒くなったものでは決してない。
 どうも春に蒔いたのが「黒いササゲ」だったらしい。そうとしか考えられない。調べてみるとそういうの(黒いの)があるらしい。初めて知った。そして、「あずき色」の方は去年自然に落下していた種から生えていたものらしい。
 今から思い返すと、夏に莢ぐち食べていたときも、そういえば豆の色が例年よりも黒ずんでいた。そういえば・・・。しかし、今度本格的に脱穀するまで気付かなかったという自分自身の注意力もええかげんなものである。

  我が家のササゲは「赤御飯」=「ササゲご飯」に使うのがメーンである。
 もち米を半分ぐらい加えると美味しく炊ける。
 『関東では赤飯は小豆(あずき)ではなくササゲを使用した。小豆は豆が割れるので切腹を連想させるのに対してササゲは割れないためである。』とモノの本にあったが、このことは直接的には我が家とは関係ない。
 容易く作れ(栽培)て、夏には莢ぐち料理に使えて、秋には豆として収穫できて、赤御飯が炊けるからである。
 そうして、ササゲご飯を炊いたのだが、予想どおり赤くはない。
 「黒御飯」と称する御飯も世間にはあるようだが、種蒔き時の不注意をその都度思い出すようで面白くない。
 そこで我が家ではこれを、「紫ご飯」と呼ぶことにした。
 紫色は儒教では卑賤の色とされているが、道教とそれに立脚した我が国の多くの文化、例えば太子の冠位十二階では最高位の色とされている。故に「紫ご飯」のネーミングに文句はない。・・と、自分で言って自分で納得している。
 もちろん、味に遜色はない。我が家の紫ご飯は孫も含めみんな大好きである。

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