安倍自公内閣が25日に特定秘密保護法案を国会に提出した。
防衛、外交、特定有害活動、テロなどの情報が対象だというのだが、悪い冗談でなく「どういうものが秘密事項なのか」と聞くと「それは秘密だ」というものである。ウソのようだがほんとうにそういうものである。
何でも戦前になぞらえて「オオカミが来た」的に語る気はないが、「戦後レジームからの脱却」をいう安倍首相が戦前の国防保安法や治安維持法を肯定的にイメージしていることは間違いない。
直接的には、イラク以後日本の直接的な軍事的貢献を強く求めてきたアメリカが、軍事戦略や情報が日本から漏れないよう対策を立てろと要求してきたものであることは周知の事実であるが、同時に、改憲に熱意を燃やす首相が、予想外の9条改悪反対、96条改悪反対の世論の反発を受けて、「それなら沖縄密約方式で事実上の改憲を進めて海外派兵をしよう」、「世論なんか“現地の日本人の命を助けるためだった”ぐらいのことを言っておけば何とでもなる」、「その情報が漏れないように法律を作ればいい」と考えた所産に違いない。
特定秘密保護法案は偽装改憲である。
ということをブログに書いたら懲役10年なのだろうか。
政府・与党の修正協議では「正当な取材の自由には配慮することにした」らしいが、この文言はイチジクの葉っぱにもならないと思う。
私は結構政府の報道管制やマスメディアの癒着ぶりも知っている方だと自負しているが、それでも、ネット(youtube)上で入手したフクシマ原発事故に関するドイツ公共放送テレビの報道を見ると、驚きの事実(直後の例の水素爆発と言われているものの嘘や日本で一切報道されなかった諸事実)の数々に目が回りそうだ。
知る権利は今でもこの有様なのに、この法律後は懲役刑をもって情報を管制するのだ。
報道が縛られる、公務員が縛られるというのは国民全体が縛られることである。
まさに、『「ブレジネフは馬鹿だ」と言った男が国家機密漏洩罪で投獄させられた』という有名なロシアンジョークを笑うことができない。
才能のない私などは『首相は嘘つきではない。IOC総会では原稿を読み飛ばしただけだ。原稿には「汚染水「の報道」は完全にブロックされている」と書かれていたのだ。』とか、
『「フセインは核兵器を隠したらしい」と言ってもいいが「実は持っていなかったんだ」と書けば秘密漏洩で逮捕される。』というぐらいの駄作しかできないが、秘密保護法案は格好のロシアンジョークの題材ではなかろうか。
素晴らしいロシアンジョークは、シュプレヒコール以上の効果を発揮しないかと密かに思っている。
誰か作品をコメントしてくれないだろうか。
長谷やん、残念ながらロシアンジョークの作品は思いつきませんが、記事の内容にはまったく同感です。特に報道や公務員に対する統制は、国民に対する統制だという点は重要だと思います。
返信削除先日も日本版NSCの創設を主導してきた小池百合子元防衛相が、国会で新聞の「首相動静」を取り上げ、「機密感覚のない平和ボケの日本」と批判し、秘密保護法の成立を迫っていましたね。こんな言論感覚しかない人物が、いずれまた防衛相など特定秘密を指定する権限を持つポストに就き、何が特定秘密化を判断する権力者になっていくのかと思うと空恐ろしい気がします。
小池百合子元防衛相が「首相動静は知る権利をこえている」と国会で発言した時には、「敗けた!彼女のジョークのセンスにはかなわない!」と思いましたが、ジョークではなかったのですね。
返信削除首相動静とは〇日〇時〇分トルコでレセプションというような首相に関する新聞の小さな記事のこと。彼女は「海岸のスケッチも天気予報も国家機密だ」とほんとうに考えていますね。
『「秘密保護法なんてジョークでしょ」と言えてた時代もあったよな』って昔語りはしたくありません。
警察「妖怪サトリだな。人の心を読むその能力、秘密保護法違反で逮捕だ!」サトリ「私はアメリカ国籍になりましたから、逮捕するならCIAに言ってください」
返信削除警官「石破幹事長がキャンディーズの追っかけをしてたことをブログで暴露しただろ、逮捕だ!」市民「それ、昨日まで秘密じゃなかったですよ!」
返信削除学生「先生、論文を書いているのですが、この時代の日本の社会に関する資料が全然出て来なくて困ってるんです」先生「アメリカに情報公開するといいよ」
返信削除ガリレオ「それでも地球は回っている」警官「特定秘密保護法違反だ!」
返信削除mykazekさん、いいですねえ。学生と先生のを私は好きです。
返信削除「首相!こんな法律で裁判が維持できるでしょうか。」「2~3件逮捕して家宅捜索をして国民を委縮させたらそれでもいいのだ。」
返信削除ソ連時代は国外の歴史家や政治学者は史料収集が大変で、亡命者の持ち出した史料を活用していたのですが、それもいろいろ問題があって、研究に制約がありました。ソ連崩壊後、ようやく現地の文書館の資料を利用できるようになって格段に史料の精度が上がったのですが、それもソ連が何でも文書を残していたおかげでして、日本みたいにどんどん文書を捨てる国は歴史に学ばない国です。ロシアは死刑も廃止したし、粛清の犠牲者の名誉回復もかなりしたのですが、日本は死刑はあるわ、治安維持法の被害者の名誉回復もしないわで、ロシアだって決して民主主義が進んだ国とは言えませんが、日本の遅れを感じます。
返信削除裁判官「この特定秘密保護法違反事件の検察側の公判資料だけど、これでいいのかな」事務官「と言いますと」裁判官「何の秘密を漏えいしたかというところが、全部黒塗りになってる」
返信削除本の最終頁「この作品には現在の観点からみて特定秘密保護法違反に問われるおそれのある情報が含まれていますが、作者が故人であること、作品が執筆された時代背景を鑑みて、原文を尊重しました」
返信削除「訴状黒塗り」もいいですね。
返信削除この間、ブログに「口口省では口口口口口口口を口口口いる。」と書いたら事情聴取を受けたんだ。
返信削除「軍事費は国を守るためのものではなく利権に群がる奴らのためのものなんだ」と言った男が秘密漏洩で引っ張られた。
返信削除「テレビの生放送に自衛隊の楽団がいて、おもろいことを言いそうなやつがしゃべりだすと、太鼓がドーン、ドーンと鳴るんですよ。それで、どうして太鼓を鳴らすんですかって聞いたら、日本の機密漏えいを防いでるんですって誇らしげに言うんですわ」
返信削除科学者「黒塗りされた文書の黒を消す薬品を開発したぞ」記者「これを使えば、特定秘密保護法案の草案検討過程の黒塗り開示文書の内容も明らかになる!さあ、垂らしてみよう」科学者「おお、黒塗りが消えていく。下には何が書かれているのか……。あれ、真っ白だ」記者「なんにも議論してないんかい!」
返信削除mykazekさん、いいぞ、いいぞ。
返信削除×臭いものにフタ⇒〇臭いものには特定秘密
返信削除昨夕の報道ステーションで高崎経済大学の國分功一郎氏は秘密保護法について、「国民レベルでは何の話題でもなかったものを強力に推進する安倍内閣は異常だ。この異常がどこから来ているのかというとアメリカだ。イラク以後アメリカ内部は厭戦気分だ。イギリスはアメリカのついた大嘘にふたたび乗せられるのはごめんという。ヨーロッパ諸国もシリアに関わりたくないと。そういう中でアメリカは空中戦はアメリカがやるから地上戦は日本人にやらせようと思っている。秘密保護法も、集団的自衛権も、国家安全保障会議もここからきている。」と解説していました。的確な指摘だと思います。
返信削除私は、さらに加えて、安倍氏のグループは本気で戦前型の強力な軍事国家を目指していると思います。
そしてその部分では、中国や韓国との摩擦を嫌うアメリカは痛し痒しで、ニューヨークタイムスが秘密保護法を大批判したのも、アメリカ的民主主義の水準からもかけ離れているというだけでなく、「親心」についてシグナルを送ったのだと考えています。