2013年10月18日金曜日

種を蒔く

  先日、水菜、ほうれん草、菊菜、豌豆等冬野菜の種を蒔いた。といっても私は少し土をほじくっただけで蒔いたのは妻であるから、「蒔いた」などと偉そうには言えない。
 どの種も立派に発芽したが、写真はその「サラダ水菜」である。
 半坪農園であるから、5株ほどで十分で、外側から“摘んでは食べ 摘んでは食べ”していくと春までもつ。
 つまり、あとの99.9%は間引くのである。それを惜しんで間引かないと生育不良になる。
 解ってはいる、解ってはいるのだが、いつも「もったいないなあ」と眺めている。
 そもそも、家庭菜園用にはもっと少量を安く売ってくれればいいのである。金銭の問題ではなく「もったいない」の問題で、金銭でいえばスーパーでいくらでも安く大きな完成品(野菜)が手に入るから、家庭菜園など手間暇や肥料のことなどを考えると無駄である。

 さて、豆類の種などは不自然な色(薬品で)にコーティングされていて「食べないでください」と書かれている。
 そんなことは農家ではずっと以前から常識なのかもしれないが、最初にこれを見たときには驚いた。こんな不自然な種を蒔いてもいいのだろうかと。
 大型スーパーには、寸法の整った大きくて綺麗な野菜が並んでいるが、ということ自体が不自然なことではないのだろうか。コーティングされた豆を見ながら、これが社会の進歩なのだろうかと首を捻っている。
 
 TPPが危険な段階を迎えているが、アメリカがしたがっていることは、アメリカ、アルゼンチン、インド、イラク、メキシコ、ハイチ等々を見ればよく判る。堤未果著「㈱貧困大国アメリカ」に詳しく報告されている。
 モンサント社のような一握りの種子や肥料・農薬の多国籍(アグリビジネス)企業が、遺伝子組換(GM)種子とその種子に特化した除草剤や農薬を絨毯爆撃のような価格競争で持ち込み、その後は一様に農民が没落している。そして数年後には土が荒れ、収穫量が落ちている。
 なお、モンサント社のGM種子を使用した農家は次のようなライセンス契約を結ばされている。
 ・ 自分の農地で採れた種子を翌年使用することを禁止する。
 ・ 毎年種子はモンサント社から購入する。
 ・ 農薬は必ずモンサント社から購入する。
 ・ 毎年ライセンス料をモンサント社に支払う。
 ・ トラブルが起きたときは内容を他者に公表しない。
 ・ 契約後3年はモンサント社の私設警察の農場立ち入りを認める。
 こんな怪しげな契約を詐欺的にさせておいて、その後そこの政府が遺伝子組換食品を規制しようとしたりすれば「知的財産権」や「高額賠償」で対抗するというのがTPPである。
 これらの国々で4~50年後にどんな身体の異常が出現するかも解らない。

 私は現在、日本の民主主義を願う人々が、地方自治や国政の民主化と同時に、多国籍企業を規制する国際的な取り決めについてもっと関心を払ってもいいのではないかと野菜の種を見ながら思っている。  
 
 

2 件のコメント:

  1.  長谷やんの奥さんが種蒔きをして、長谷やんはTPPの論評をしているのは少し違和感があります。野菜を栽培して農協に出荷している農民は、生活のため家で食べる野菜は別に作っています。これが現実です。体に即に影響のある農薬は、現在は絶対認可されません。されとて、無農薬・自然農法で販売して生計を立てている農家は、ほんの一握りです。パソコン販売が出来て、お金に余裕のあるお客が付いた先進的な農家と、農協が支援する一部農家のみです。TPPを推進する輩は、アメリカ産や中国、オーストラリア産の農畜産物は口先では安全といいつつ日常では食べないと思います。長谷やんは全て理解されていますが、日本の食は日本で賄えと言いたいです。日本の現状で食糧閉鎖をさらたら、治安悪化では済まないと思います。今日は生意気なコメントお許しください。(曲がったナスの一夜漬けを食べながら)

    返信削除
  2.  表を通るお方は「ご主人が立派に畑をされてますね」と言うのですが、どうして人々はそういう既成概念を持つのでしょう。我が家では基本的に野菜は妻が主担で、私は花木を主に担当しています。
     それから、調べてみて驚いたのですが、アメリカでは農家がバタバタと破産して行っているのですね。アグリビジネスの一人勝ちです。彼等にとっては、食の安全も環境も農家の生活も関係なしです。文字どおり「我が亡き後に洪水よ来たれ」です。マスコミはTPPを農家の既得権益対消費者の利益のように描きますが全く正しくありません。バラやんのおっしゃるとおり、食料は国民の安全と国の独立にかかわる重大事です。ほんとうに近頃のマスコミの姿勢はよくありません。

     

    返信削除