2013年10月16日水曜日

祝勝会にはクスダマでしょう

  「9月29日に投開票される堺市長選挙はちょっとした歴史のターニングポイントになるだろう」と語ってきたが、10月5~6日実施の朝日新聞の世論調査では維新の政党支持率が1%に凋落するなど、あまりに見事に社会が推移していくことを驚きながら喜んでいる。
  もちろん、大阪府知事、市長、そして府議会過半数等々の維新の影響力を軽視してはならないが・・・。
 “投票締め切り即当確”が打たれ、私の携帯にも「祝勝会をしましょう」とメールが入ったが、なんやかんやと手間取り、ようやく今夜の祝勝会と相成った。

  「祝勝会ならクスダマやろ」という発想自体には何の新鮮味もないが、お互い歳をとると何事によらずただ集まって酒を酌み交わすというマンネリに安住しがちなので、一念発起というほど大袈裟な話ではないが、クスダマの仕組みを調べ、使えそうな材料を調査するためにホームセンターを散歩し、結果的には、ボール2個、モール2本を・・百均で400円で仕入れてきた。
 あとは実験や試作を繰り返しながら嬉々として製作したが、妻が「何をごそごそ作っているかと思えば、またまたあ~」と冷やかした。
 ということで、10月の頭には完成し、約半月間この日まで熟成してきた?クスダマなので、大型台風26号の大雨ぐらいで止めるわけにもいかないから、大事に抱えて持参した。

 さて、作ってから「クスダマって何やろう?」と疑問が湧いてきたので思いつくまま綴ってみると・・、
 古代中国の道教の風習に端を発し、少なくとも平安初期には始まっていた「薬草や香料を入れて不浄を払い邪気を避けた薬玉」に起源がありそうで、それが“見た目”だけ発展して仙台七夕のクスダマになり、さらに近代、パフォーマンスの要素を加えて進化したものではないだろうか。
 “見た目だけ”とか“進化”と一言で言ったものの、七夕飾りのクスダマとパッと割れて飛び出してくるクスダマとの間にも質的な飛躍があり、牽強付会ではないかと自問しなくもないが、舞い散る紙吹雪はお祓いの要素を、パッと割れて瞬間に現れる垂れ幕は桃太郎の誕生に似た生産や繁栄を願う祈祷の精神を「覚えている」からなのではないだろうか。
 穿ち過ぎかもしれないが、最初に作った日本人?にはイグノーベル賞を進呈したい。
 なぜ発明者が日本人らしいと思ったかといえば、垂れ幕は日本、中国、朝鮮、モンゴル等の『縦書き』の文化であり横書き文字文化圏の発想ではないとしたら、近代の日本人である蓋然性は高いと私は考える。
 (割れて垂れ幕の落ちるクスダマの発明者をご存知のお方はご教示ください。)

 以上のとおり、「クスダマ割り」は、隧道や橋の開通式が一番似合った使い方であり、「優勝おめでとう」だとか「祝入場何万人目」というものもあるが、それとて、「さらなる高みに向けて幸多かれ」との祈念が基本にあるように思う。今日の「クスダマ割り」も同様に理解したい。

 で、祝勝会でどうなったかについては言わぬが華。基本的には皆さんに喜んでいただけた。私は安全神話の信奉者ではないから改善点が明らかになったらなったで次回には改良型をお披露目しようとやる気が出てきている。

6 件のコメント:

  1.  堺市長選に勝ったあー! 勝ったのなら祝勝会だーっ! 祝勝会ときたらクスダマわりだーっ!
    ところでクスダマって何だ? こうして長谷やんの記事の更新が展開していく。
     その旺盛な好奇心と、とどまるところを知らない行動力に支えられて、読者を引き込むブログが
    続いていくのですね。期待しています。

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  2.  和道おっさん、コメントありがとうございます。
     よくテレビのニュースなどで(ニュース以外でも)その瞬間にクスダマがパカーッと割れずにテレビの此方で笑ってしまうことがありますが、クスダマはなかなか難しいものです。反省。

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  3. そんな製作意図があったとは知らず、ワハハ、で終わってしまいスミマセンでした。確かに「くす玉割り」の発想は日本的な発想には違いないと思います。だとしたら、テープカットは横書き文化で西洋のものでしょうか?よく目にする光景でテープカットをした立派な紳士が手に残ったテープの端っこをどうしたものかと右往左往しているのは何とも締まらない光景です。

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  4.  私の感覚で言えば、テープカットの発想は即物的で考察する興味が湧きません。それに引換え『薬玉』は、本文の中で「隧道や橋の開通式こそ似つかわしい」と書きましたが、そこには「これまで神仏の領域であった場所に人間様が入らせていただきますのでよろしく」という遠い記憶があるからだろうというのが私の思いです。「さらなる高みに向けて幸多かれ」。(まあ、こういうのを普通は独断と偏見と言って笑うのでしょう)

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  5.  私の小学校の時の運動会は、玉入れに続きクスダマ割が定番でした。同じおじゃみを使い競技しました。そう言えば、今の運動会では玉入れは良く見ますが、クスダマ割はあまりお目にかかりません。クスダマにおじゃみをぶつけて、少しずつ小さく切った紙が空からヒラヒラ舞い落ちるときは、もうすぐ「パカーン」と割れると思い、おじゃみを投げる手に力の入ったものでした。楽しい競技でした。
     クスダマの起源や洋の東西、神仏の話など崇高な議論の中に、場違いなコメントをお許しください。
     

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  6. バラやん、話が広がるのは望むところです。なるほど「外からのクスダマ割り」がありましたか。
     結局、芝居の道具方あたりが「なんかパーッと派手でみんなが驚くような仕掛けはないか」と考えたりしたものだったりして? そしてそれは歌舞伎? 宝塚?
     もしそうだったとしても、ちょっとした民俗学的考察です。想像が広がるのは楽しい限りです。

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