2013年7月9日火曜日

言霊思想を乗り越えて

  どうしても悪い方の心配を考えたり言葉に出したりすることが躊躇われる。
 頭の奥の方に言霊思想があるのかもしれない。
 原発のことである。
 私はいまだにあの原発の核燃料が何処にどのような状態で存在しているのかがわからない。
 政府や新聞は「収束した」と言っているが、誰も一切核燃料の現状を説明していない。
 15万人を超える避難者が帰られる目途は全く立っていない。
 次の大地震に耐えられる保証は全くない。
 もう一つは汚染水である。どのように計算をしても漏れているとしか思えない。事実、高濃度の地下水がいくらも見つかっている。
 魚介類の問題がテーマになる頃には、手の付けられない事態が起こっていないか。
 にもかかわらず電力会社は昨日再稼働を申請し、自民党は選挙の公約で原発再稼働を公言した。
 我が家の電気製品を見渡してみても40年前の電気製品で使用しているものはない。一般の工場の機械だってそうではないだろうか。
 フクシマ以外の原発は世界一の安全水準で事故は絶対に起こらないらしい。
 だから、緊急時の指揮所がプレハブの会議室でも問題がないとか。
 ちなみに、元東電社員の蓮池透氏はツイッターで「再稼働の前提は防災計画の策定だったはず。柏崎刈羽原発の周辺は全く整備されていない。原発から3kmのところに住む両親は、避難手段、避難場所すら知らされていない。」と述べている。

 普通に教養のある人なら、政府や電力会社の言い分を、誰もそんなことは信じてはいないのではないだろうか。
 ただ、「避難者は帰ることができないだろう」とか、「魚も危険で食べない方が良い」とか、「事故は必ず起こり新たな避難者が出るだろう」とか、そんな悪い心配をしたり口に出したりするのは、現地の人々に対して申し訳ないとか、悪いことが起こるのを歓迎しているかのように誤解されないだろうかとか、皆がそう言えば実際に起こりそうで・・・嘘でもよいから「収束してるんだ」と信じ込みたいとか・・・そんな言霊思想におびえていないだろうか。

 21世紀の私たちは、今こそ言霊思想を乗り越えて事実を直視し語らねばならないと思う。
 そうすれば、 ■原発の安全性は保証されていない。
  ■原発は実際には非常にコストが高くつく。
  ■各種のエコエネルギーの開発で電力をまかなえるし、それが日本経済のためにもなる。
 これは、原発利権に無縁な人々の絶対多数の考えになると思う。

 電力会社や電力会社の労働組合から献金や支持を受けている自民党、民主党。
 利権のためなら倫理もくそったれという人々(地方のボス)。
 そして、莫大な広告料という賄賂をつかまされた新聞(大宗教団体の有名な新聞も含む)、テレビ、ラジオ。
 怖ろしいのは言霊ではなく、そういう利権共同体だと思う。
 その種の政治献金を一切受け取らない日本共産党にブレがないのは納得できる。
 孫子の代に原発(含む核廃棄物)のツケを残していいのか。
 お金で放射能が除染できるなら、チェルノブイリは大都会になっていていいはずだ。
 澄んだ眼で眺めてみれば、今度の選挙が自共対決と称されるのも肯ける。

 かつて大阪の空は真っ黒だった。それでも関経連の大企業は「公害規制をしたら企業はつぶれる」と反対した。それを乗り越えたのは共産党の推す黒田革新府政だった。
 「再稼働しなければ企業活動に支障が出る。」の主張は、あの公害の時代を知っている者にとっては笑止千万だと思う。彼らはいつもそういう嘘を言って庶民を脅すのである。

2 件のコメント:

  1.  8日、フクシマ第1の井戸から、3日前の91倍のセシウムが検出された。元々ストロンチウムやトリチウムも法令限度を大きく上回っている。原因は不明だという。そして、「収束」しているのだという。
     京都選挙区では自民党だけでなく民主党候補も原発再稼働と言っている。
     倉林明子共産候補を是非とも当選させたい。

    返信削除
  2.  週刊朝日の伝える経産省幹部宛て東電幹部のメール、「今年の夏、気温40度くらいまで猛暑になれば、議会、世論ともに再稼働容認になるだろうとか、つい期待して、毎朝、天気予報を見ています。あがれ、あがれと新聞の天気図に手を合わせていると、ビール飲みながら、笑わせている上司もおります。情けないですが、今のうちには、猛暑頼み、すがるしかありません。株じゃないですが、あがれ、あがれ!」。
     これを貴方はどう思われますか。

    返信削除