7月28日早朝に東大寺大仏殿で解除会(けじょえ)があった。
夏の健康祈願の仏会で、宮中に始まり各地の神社で行われている「夏越の大祓」(水無月の晦日の大祓)の仏教版のようなものである。(結構大規模な行事であった。)
そもそもが長い日本の歴史を眺めると、神社とお寺を分離することの方が無茶なのであるから、ことさら「お寺で大祓はおかしい」などと言わずにお参りしたらよいと私は思っている。
奈良では、僧と神職と山伏が一緒に行う行事も全くもって珍しくない。
「茅の輪」についても、素戔嗚(スサノオ)の蘇民将来子孫の神話もあるが、3~4世紀の江南道教の経典「抱朴子」が茅(チガヤ)の根茎を仙薬とし、「山中で幽鬼に出会ったときは茅を投げつけると即死する。」としていることの方に、より基本的なルーツがあるように思う。
蘇民将来ゆかりの京都の祇園祭ではないが、夏は疫病の季節である。
疫病は鬼がもたらすものと考えられていたのであろうから、この季節に茅の輪をくぐって疫病除けを祈った先人たちの思いはよ~く理解できる。
今月は家族が度々体調を壊したが、おかげで徐々に回復しつつあるので御礼を兼ねて茅の輪をくぐってきた。
朝8時からの行事と言うこともあり、大仏殿は広々として涼しい風が吹き抜けていた。
孫は元気よく何回も何回も茅の輪をくぐり、裏の柱の「大仏の鼻」も何回もくぐって喜んだ。
今夏の健康は間違いないだろう・・・。
このとき、壇上の大仏様の前では20数人のお坊様が厳かにお経を唱えておられましたが、孫にとっては遊具のようでした。毘盧遮那仏様お許しください。
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