2012年7月26日木曜日

なら町の地蔵盆

  NHKや東京キー局のテレビがよく言う「月遅れの盆」という言葉はどうも耳障りがよくない。
  僻みかも知れないが「未だに旧暦の影響を受けて8月にしている地方がある。」との意を含んでいるような蔑視の眼差しを感じる。僻みすぎか。
  「新暦7月の盆なんて東京だけと違うのん?」と言いたくなるような、こういう違和感は理屈の世界ではない。
  関西に育った者としては、お盆は8月でないとすっきりこないし、地蔵盆は「あ~あ、夏休みもあと1週間や」という無念さと表裏一体でないと地蔵盆でない。つまり8月23日。
  ところが不思議なことに、古都の『なら町』では現暦どおりの7月23日の地蔵盆がメジャーらしいので、見聞のために夕涼みがてら出掛けてみた。
  すると、町のお地蔵様の周辺とともに、少なくない寺院でも地蔵盆が行なわれおり、以前のブログで「感じのよい寺院だった。」と書いた福智院でも、総勢13名のお坊さんが揃って読経がされる中、「どうぞお上がりください。」というのでそれに参加させていただいた。後に行った十輪院でも「どうぞどうぞお上がりください。」で、このあたりが南都の好きなところである。最初に行った伝香寺は人が多くて境内だったが・・・・、ここは、裸地蔵の着せ替え行事があるのでカメラマンも多く少しだけメジャーなようだった。
  なお福智院では、読経の後、地蔵菩薩の御真言を唱えて大きな数珠を皆で廻していく数珠送りの行事にまで参加させていただいた。
  町なかの地蔵盆とはちょっと異なったものだったが、庶民参加型の落ち着いた宗教行事だった。
  余談ながら、あの、オン、カカカ、ビサンマエイ、ソワカって言う「(前述のは地蔵菩薩の)御真言」って、意味も解らず大きな声で唱えるのは、お坊さんには申し訳ないがいつも恥ずかしい。

2 件のコメント:

  1. 古都「なら町」の風景にぴったりくる伝統的な宗教行事、地蔵盆が、長谷やんさんの巧みな文章で目に浮かぶようです。
     8月には私も盆参りを控えていますが、伝統行事をどう信仰につなげるか毎年苦労するところです。

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  2. !ブログの最後のくだりは和道おっさんには引っ掛かるかも知れませんが正直な感想とご理解ください。
     和道おっさんのブログに以前論じられていましたが「意味不明のお経でよいのか」という問題について、私は現代語訳のお経賛成派です。
     現代社会と仏教(真宗)について今後も折々にご教示ください。
     コメントありがとうございました。

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