2019年2月28日木曜日

掉尾を飾る

   政治向きの怒りのネタには事欠かないが記事を書いていてもあまり楽しくない。そこで2月の掉尾を飾るにふさわしい明るいネタはないかと探していたら、何ともノーテンキな明るいポスターが見つかったので、めでたしめでたし

 安倍首相は自民党の党大会で「自治体の6割が自衛官勧誘業務を拒否している」「だから憲法は改正しなければならない」旨演説したと報じられた。
 それに対して毎日新聞などは「自治体の9割が実施しておりファクト(虚偽)演説だ」と即座に報じたし、そのとおり嘘の扇動だろう。
 それに、個人情報保護という大原則があるのに自治体が住民の情報を勝手に提供する方がおかしい。
 不殺生戒を信じる仏教徒は「私の情報を提供するな」と抗議するといい。

 ただ私は、安倍首相が大嘘をついたことよりも、「だから憲法改正だ」とつなげたロジックが怖ろしい。

 「大事な自衛隊になり手がないという状況でいいのか」「それは自治体にもっと勧誘業務をさせる強制力が弱いからだ」「だから憲法改正が必要だ」「憲法を改正したら強力に自衛官を補充できる」・・・というロジックが怖ろしい。

 それでも人手不足になったらどうなる。
 「徴兵制」を想像しない人は思考停止と言わなければならないだろう。
 中学校時代の国語の試験で「主人公は何を言おうとしていたか」というような問題があったが。
 「安倍晋三は憲法を改正して徴兵も可能なようにしたいと考えた」あたりが正解ではないだろうか。

 このポスターの載ったFbにベテランの元自衛官が次のようなコメントを書いていた。
 ◆ ポスターが堅い厳しいイメージだと隊員が募集しづらいとしても、実際はそういった仕事なので、ポスターと自衛隊の現実とのギャップがありすぎるのもどうかと思います。 ◆ 体力と覇気と協調性のない隊員が増えるのは訓練してても困ります。 ◆ そういった隊員は育ちにくく、大半が1任期(2年・3年)を満了し辞めていくと思います。 ◆ 明らかに適性のない隊員が入ってくると、上司がハッパをかけますが、そのことは、その隊員にとっては苦痛でしかありません。 ◆ できない→厳しくされる→嫌になる ◆ そうなると、毎日毎日の訓練や人間関係が嫌になってしまい、そのような隊員は精神的に参ってしまいます。 ◆ 自殺者の多い自衛隊なのでその辺も心配になります。

 そうか演説もファクトならポスターもファクトなんだ。
 そうして自殺者が生まれているんだ。
 あまりノーテンキだ!なんてやっぱり笑っていられない。

   コスプレで兵隊募る二月尽

1 件のコメント:

  1.  インターネットの世界が持つ力は凄いものですね。このポスター、ネットでの批判が多くて引っ込めるようです。

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