2016年12月29日木曜日

証拠隠滅

   外務省のHPからPKO参加五原則を引用すると・・・、
  1)紛争当事者の間で停戦合意が成立していること
 2)国連平和維持隊が活動する地域の属する国及び紛争当事者が当該国連平和維持隊の活動及び当該平和維持隊への我が国の参加に同意していること。
 3)当該国連平和維持隊が特定の紛争当事者に偏ることなく、中立的立場を厳守すること。
 4)上記の原則のいずれかが満たされない状況が生じた場合には、我が国から参加した部隊は撤収することができること。
 5)武器の使用は、要員の生命等の防護のための必要最小限のものを基本。受入れ同意が安定的に維持されていることが確認されている場合、いわゆる安全確保業務及びいわゆる駆け付け警護の実施に当たり、自己保存型及び武器等防護を超える武器使用が可能。

・・・と書かれているが、自衛隊が派遣された南スーダンではとっくに「停戦状態」は終了し「戦争状態」、否もっとひどい「民族浄化」が進行中といわれている。

 そこで、政府軍(大統領派)と前副大統領派が戦闘を行った7月7日から12日の派遣部隊の活動日誌をジャーナリストの布施裕仁氏が行政文書開示請求したところ、「すでに廃棄して不存在」と防衛大臣名で不開示の通知があった。

 これは秘密保護法以前の証拠隠滅ではないだろうか。
 結局、国民には何も知らされないまま、自衛隊員が死に、住民を殺し、そしてわが国民が戦争に動員される「いつかきた道」と言っていい。

写真は太田理著「たてつの飛行場」から転載
   2011年7月9日に「松下飛行機と盾津飛行場」に書いたとおり、私の父は松下飛行機(株)の結構な幹部社員だった。
 父は私が小学生の時に死んだから詳しくは聞いていないのだが、敗戦時には徹底して軍に関わる書類等を焼却したと語っていた。
 ただ、自分の歴史が全て抹消されるのが惜しかったのか、本当は焼却隠滅すべき印箱が家にあり、そこには軍関係のゴム印が入っていた記憶がある。
 あちこちの軍の部署でも同じような証拠隠滅が行われ、影響なしと選ばれた証拠と、隠滅できなかったわずかな証拠だけを我々は現在知り得ているだけなのだ。

 2011年に私が国立国会図書館に行ったときも、「残念ながら軍需工場の史料」はほとんど残っていない」ということだった。

 現代も70年前と同じでないか。
 なので、我々は「何もかも知っている」などと決して思わない方が良い。
 否、相当取捨選択された情報に誘導されていると思った方が良い。

    スーダンの日誌は雨林の闇の奥

1 件のコメント:

  1.  頻繁に首相から酒食のもてなしを受けてきたマスメディアは予定原稿どおり真珠湾での首相を最大限に持ち上げている。
     そもそも出発前から「真珠湾を訪れる初めての首相」との官邸発表を垂れ流してヨイショをしたが、岸も吉田も行っていることが解って慌てて「アリゾナ記念館を訪れる初めての首相」と知らぬ顔で言葉を変えた。ところが今では竹下が行っていることが判ったが、そんなことはどうでもよい、すでに新聞テレビで大々的に宣伝は済んだのだから。
     巧言令色鮮し仁とはよく言ったもので、安倍首相の言葉には誠意がない。誠意がないどころか、歴代首相の述べてきた侵略という言葉も謝罪の言葉も意図的に「削除」しているところに本心がある。
     帰国した稲田防衛相は直ぐに真珠湾攻撃を命じた戦犯を奉る靖国神社に参拝した。
     「のこのこと真珠湾に出かけたことへの謝罪」の姿勢を右翼の皆さんに表したのだろう。「心なくも真珠湾に行ってまいりましたが」と。
     稲田氏はかつて「靖国神社というのは不戦の誓いをするところではなくて『祖国に何かあれば後に続きます」』と誓うところだ」と述べている。これも本心はこちらの方にある。
     オックスフォード大出版局が選ぶ2016年の単語はPost-truth(ポスト真実)で、そのことが真実であるかどうかよりも、感情的な言葉で形成される政治状況を指しているらしい。
     ストップ、ポスト真実。情報や感情に流されず真実であるかどうかの検証が今ほど必要な時はない。

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