老人ホームでは紅葉のライトアップの時期が終了し、今度はクリスマスのイルミネーションが始まった。
しかし、入所者の夜は早く、夕食が済んだら就寝する人も少なくない。
それに、車椅子と窓の位置の関係で、2階の方々にはほとんど見ることができないので、窓の下のイルミネーションをスマホで撮って、「実は毎晩、窓の外はこうなっているのだよ」と教えてあげなければならない。
老人ホームでは世間がこのように近くて遠い。
完全空調の室内には季節の変化も届きにくい。
「今日は雨ですね」と話しかけたら、「雨なんか降ってるのを見たことない」との返事が返ってきたこともある。
長寿が暦の月日だけの問題だとしたら悲しい。
だから明日はスマホを持って行って近くて遠い庭の話をしようと思う。
イルミネーションは点滅し、色を変え、サンタやトナカイは動きを繰り返して賑やかだが、建物の中は静まっている。
星冴えてイルミネーション止(とど)まらず
クリスマスの前にはお餅つきがある。
先日ホームセンターに行ったら、大人用の普通の杵と子供用の杵と並べて、幼児用の杵というのを売っていた。
あまりに可愛いので、つい衝動買いをしてしまった。
これなら元気な入所者は車椅子ででも搗くことができるかもしれない。
それも叶わない入所者には「エア餅つき」をしてもらうつもりだ。
「エア餅つき」用に発泡スチロール製のモスキート級の杵を何本か用意(手作り)する。
こんなことで一瞬でも季節を感じてくれればと思っている。
0 件のコメント:
コメントを投稿