2015年10月17日土曜日

ほんとうの危機管理

 東洋ゴム工業や旭化成でデータの改竄が行われていたことがニュースで大きく取り上げられている。
 それぞれの企業のダメージの大きさはとてつもなく大きい。
 それぞれの事案の詳細は知らないが、危機管理、すなわち、この種問題の再発を防ぐためには真の原因究明が何よりも大切だろう。
 そこで推測するに、両社ともこのことが明らかになると大変なダメージになることが解らなかったのかという疑問であるが、両社ともいわゆる大手企業であり優秀な社員がそういう危険性を想像できなかったわけがないと私は思う。
 もしかしたら、非常に専門分野のデータであるから不正が発覚することはないと考えていたのかもしれないが、それにしても危険極まりないことだとの認識はあっただろう。
 なのに何故ブレーキがかからなかったのか。
 「ちょっとこのデータおかしいねん」「こらあかんな」という話が職場で出ておれば対応ができていたはずである。
 だから私の想像では、そういう相談ができる人員と時間の余裕が職場になくなっている。
 チームワークで仕事を進めるのでなく、「成果」を盗まれないよう「弱み」を察知されないように労働者の心がバラバラにされている。
 そして、与えられたスケジュールを遅らせたなら「能力のない奴だ」と成績に響く体制がこの種の隠ぺい体質を作ったのではないか。
 お気づきのとおり、私の問題意識は東洋ゴムや旭化成にあるのでなく、日本のほとんどの企業に蔓延している人員削減、非正規労働化、成果主義が真の原因ではないかということを声を大にして言いたい。
 こういうことはあちこちの企業や官庁で起り得ることではないのか。
 フォルクスワーゲンしかり。驕れるものは久しからず。職場に人間らしさを取り戻すことこそが真の意味で企業を守る道でもある。
 ディーセントワーク(働き甲斐のある人間らしい仕事)、レジリエンス(したたかな復元力)を顧みない日本経団連は国を危うくする二流経営者の集まりではないだろうか。
 ジャーナリストも、ここに迫ることなく「労働規制緩和で企業活動が活性化する」というようなピンボケの話をしていると、この国の沈没を誘導することになる。
 繰り返すが、労働法制の弱体化は企業と国を滅ぼす道である。
 こんな当たり前のことを当たり前に語ることが少ないことが現代の病である。
 野党の総結集が課題になってきている現代にこういうことは言いたくはないが、民主党と維新の党が共通政策として公務員の削減と賃金引き下げをうたうようだが、そういうポピュリズムこそがこの国の閉塞状況を作っていることが解らないのかと悲しくなる。

3 件のコメント:

  1. 「狂っている日本」と「ひろさつや氏」は十数年前から言い続けています。そして元凶は「自民党政治」だとも言っています。でも選挙で自民が多数の票を取っているから国民の責任だと言われると「ひろさちや氏」は選挙権が与えられて以来私は自民党には1回も票を入れたことがない。私の責任ではありませんと言ってメディアから排除されています。自公に票を入れる人に何か「良い薬」はありませんかね。「米経団連製造の薬」中毒者を正気に戻すくすりを!!

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    1. 訂正「ひろさちや氏」です。

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  2.  スノウさん、一つ言えることはマスコミの果たしている負の影響力ではないでしょうか。私は全マスコミを敵にした軍国主義はあり得ないと思います。もっと言えば、戦争に火をつけるのはマスコミだというのが内外の歴史の教えているところではないでしょうか。
     マスコミは彼ら自体がエスタブリッシュメントだというのが自明の事実です。
     私はSNSがその土台を揺さぶるに違いないと感じています。

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