BSでは「カーネーション」の再放送に引き続いて「花子とアン」があるのだが、先日はどちらのドラマも戦時中の話だった。
「カーネーション」では、戦地から廃人のように心を病んで帰ってきた勘助を、テレビの此方(視聴者)のみんなが「生々しい戦友の死のような余程ショックな目にあってああなってしもうたんやな」という暗黙の了解のもとに観ていたところに、後に勘助の母親が「戦争の加害の事実」をテレビで観て、「勘助がああなった原因はこれやったんやな」と述懐するシーンがあり、作者の思慮の深さに視聴者全員がサスペンスドラマ風に驚かされた。
「ごちそうさん」では、悠太郎が専門家として「焼夷弾は消せないから逃げるよう」言った事から逮捕されたことで、当時は防空法というものがあって、焼夷弾の下でも火災現場から逃げることが罪であったこと、そのために被害者が極端に拡大したであろうことが世間でも話題になった。
「花子とアン」は、蓮子の夫が和平交渉に努力したため憲兵隊に逮捕され、子供たちは国賊の子として虐めらて現在進行形である。先の場面ではドラマには珍しく、蓮子の「私は時代の波に平伏したりしないわ」「貴方の様に卑怯な生き方はしたくないの」という凛とした発言に、主人公の花子の方が肯定も反論も動揺もせず、ただ「さようなら」というものだった。う~む。
朝ドラではないが先日の「歴史秘話ヒストリア」は「琉球王国」の歴史をしていて、武力を持たない平和な国が日本の沖縄県にまでなった(琉球処分等の)歴史を淡々と辿り、映像は米軍基地を俯瞰して終了していた。
安倍首相がNHKの人事に無体な介入をし、NHKニュース等の報道姿勢が極端に与党べったりになっていることは明らかな事実である。
だから、「NHKはけしからん」という広範な世論も起こっているが、先ほどからの話のとおり、NHKは・・というように十把一絡げに議論するのは良くないと私は思った。
NHKの中でも、政治経済部局の上層で、強い者におもねようとする動きは顕著だが、他の部門などではジャーナリズムを守りたいとか、上質のドラマを作りたいという良心が確実にある。
公務労働運動や行政民主化の運動を経験してきた身としても、十把一絡げに「行政なんて」「公務員は」と言われたのでは、ほんとうの連帯の広がりが進まないということは嫌というほど経験してきた。
だから、安倍内閣のNHK介入やそれにおもねるNHK上層部の姿勢を批判すると同時に、頑張る職員やチームを応援する気持ちが大切なように思えて仕方がない。
心あるNHK職員がんばれ!
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