オニクロの社長 「君をフリース販売限定ジョブ型正社員に採用する。」
労働者A 「正社員やなんて、ありがとうございます。」
・・・・4か月ほど経って・・・
オニクロの社長 「初夏も近いんで解雇する。」
労働者A 「正社員やのになんででっか?」
オニクロの社長 「雇用契約書には「フリース販売限定正社員」って書いてあるやろ。初夏も近うてフリースなんか売らへんから解雇やねん。」
労働者B 「おまえも首になったんか。俺も梅田南口店限定ジョブ型正社員やってんけど、南口店が閉鎖されて梅田北口に移転した途端解雇されてん。」
タタミグループ社長のタタミ 「今日から君を接客効率化調査企画担当副店長に採用する。調査のためには先ずは接客を経験してや。」
労働者C 「ありがとうございます。でも、雇用契約書のナンバー5というのは何ですか。」
タタミグループ社長のタタミ 「5番目の副店長いうことや。皿洗い担当の副店長は10人いるんや。」
「正社員化って言うのんはええこっちゃ。これまで十数万円必要やった超勤手当が3万円の管理職手当で済むわ。」
・・・・というのは、大阪弁護士会主催の『労働の規制緩和は私たちになにをもたらすか』という市民集会で演じられた若手弁護士の寸劇のごく一部。
なかなか達者なもので感心した。
考えてみれば昭和22年5月3日に日本国憲法が施行され、同年9月1日に労働基準法が施行されたわけで、憲法は労基法の父であり母であるわけだ。
その親が解釈で骨を抜かれようとしているわけだから、特区だとか『労働規制緩和』というものがどういうものかは火を見るよりも明らかだ。なるほど、戦後レジーム(戦後民主主義の枠組み)からの脱却だ。
大企業が儲かれば、「おこぼれ」はそのうちに廻ってくる(トリクルダウン)。大企業が国際競争に勝つためには規制緩和や・・・、と言われ続けてきたが、小泉改革以降、ここ20年ほどの事実はそれらが全く成り立たない嘘であることを証明しているのに、いまだアベノミクスに期待する声は小さくない。ここが問題だ。
大企業は多国籍企業になって、そういう意味では経済構造も大きく変化したのに、国民向けの『ウソ放送』だけは旧態依然のままで功を奏している。何ということだ。
儲けは株主配当、経営者報酬、海外工場の設備投資と内部留保に廻され、雇用にも賃金にも貢献していないのは明々白々だ。(東京のサービス業で一部人手不足が生じているが、それも非正規のこと)
労働者派遣法の改悪、有期雇用法制の改悪、ホワイトカラー・エグゼンプション、解雇規制緩和・・・、
この方向では日本経済が崩壊すると私は思うのだが、それを額に皺を寄せて語るのでなく、軽やかな寸劇みたいに表現できないかと私もちょっと考えているところだ。
このブログもまだまだ硬すぎるのかもと反省している。
寸劇、いいですね。文化祭をやりましょう。
返信削除mykazekさん、現代ニッポン人には真の意味で怒りが足らないという指摘もあり、それはそれで重要な提起ですが、同時に、怒りの言葉は仲間内だけで共鳴し、広く心に響き難いというのも事実です。ですから、正しい主張を楽しく発することがとても大事だと思います。「楽しく」は新しい社会運動の重要なキーワードでしょう。
返信削除政治の世界は変なところで、みんながおかしいと思っていることがそのまま進んでいったりします。
返信削除そのおかしさをどう表現して、どう止めるか、みんなよくわかってないのだと思います。
広い共感を得るためには、組織の名前は後ろにして、個人を前に出す方がよいという意見もありますが、
個人を守るための組織というのがありますから、ぼくは組織の名前をしっかり出しながら、楽しいことをするというのが大切なことだと思います~。
mykazekさん、大賛成です。そういう新しい試行錯誤にお互いに挑戦していきましょう。あなた方の新鮮な発想や行動力にいつも感心しています。
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