2013年9月29日日曜日

山の動く日来る

  今夜は、堺が生んだ歌人与謝野晶子の詩の中から抜粋させていただきたい。
  『青鞜』創刊号の巻頭詩の冒頭部分である。

  山の動く日来(きた)る
  かく云へども人われを信ぜじ
  山は姑(しばら)く眠りしのみ
  その昔に於いて
  山は皆火に燃えて動きしものを

 眠れるかのように見えていた堺の山の動くを私は見た。嬉しい。
 いっしょに心を合わせた人々、陰に陽に励ましていただいた人々とこの気持ちを分かち合いたい。

 どうして、こんな古く仰々しい詩を選んだかと言えば、近頃私は不快な低周波公害のように民主主義の危機を感じるからである。
 維新の橋下大阪市長はよく「民主主義とは多数決である。」故に「選挙で多数を得たということは白紙委任を受けたこと。」と主張し、現に問答無用で悪政を実行している。
 しかし「多数決」というのは民主主義の一側面を説明するにすぎず、民主主義の根幹は議論を通じてより良い結論を探ること、そのためには異なった意見の尊重がなければならない。
 ヴォルテールの「私は貴方の意見には反対だ、だが貴方がそれを主張する権利は命をかけて守る」である。
 堺市長選挙は、そういう精神で保革を超えて、あるいは神を信じる者も仏を信じる者も信じない者も市民が力を合わせた勝利だと思う。
 1970年代の社共共闘を軸にした革新自治体の太平洋ベルト地帯の誕生(これは当時、主に部落解放同盟の蛮行を擁護する社会党の脱落等で徐々に消滅)を経験した私たちは、各党が今回の経験から前向きに教訓を導きだしてほしいと願っている。もちろん、多くの不十分さもあっただろうし、まだまだ今後の典型となるような一点共闘の形ができたわけではないだろうが。
 そんな考えから、今日の、山の動いた日を、私は記憶に残したいと思っている。

11 件のコメント:

  1. 堺市長選、投票が終了すると同時に竹山市長の当選確実の速報テロップが流れました。予想どおり圧勝でした。皆様の絶大なご支援があったからだと思います。今日は歴史的なめでたい日ですね。宝塚市長選、伊丹市長選に続き、最大の決戦である堺市長選で全てダブルスコアー以上でで民意が示されました。橋下氏はいつも自分が気にいらなければ、自分に投票するなとうそぶきますが、負けた時にはあっさりと負けを認めればよいのに、違法文書や朝日新聞の不公正にやられたと、慰安婦発言の時と同じようにマスコミや他人に責任転嫁するようなことを記者会見で述べていますね。この会見には朝日はいれなかったようです。些細なことをあげつらって朝日を排除して他のメデイアを恫喝していますね。他のメデイアも国民の知る権利を制限するような人の会見に出席するべきでないと思います。
    こういう人間であることを、もっと報道すべきですね。

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  2.  dyoygojiさん、よかったですね。 ご指摘の事項はすべて同意です。
     この堺市長選挙の持つ意義は宝塚、伊丹の比ではありません。(宝塚、伊丹の意義を過小評価しているのではありません。)
     歴史の本は、「この反動に向かう時代が堺市長選挙によって止められた」と書くでしょうし、そうしなければなりません。そういう意味では、これからですね。

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  3.  堺市長選挙の勝利!!本当におめでとうございます。庶民の力が、口もネットも達者な現代版ファシストを跳ね返した構図に思え痛快でした。これからも、橋下氏には「言い訳」ばかりを言わせ続け、日本の右傾化を阻止しましょう。

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  4.  選挙終盤の橋下氏の演説はひどいものでしたね。youtubeに出ています。 運動員のメガホンもよく似た口調でした。 バラやんの言うようにファシストのそれというかヤクザの雰囲気です。 とりあえずそれを阻止したのですから よかった、よかった。
     しかし、低家賃府営住宅等の多い泉北ニュータウンでは市議補選で維新が当選しています。 浮かれてはおられません。 この部分の心に響く現実的な政策とそれを広める力が必要でしょう。

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  5. 茨城のちゅうちゃん2013年9月30日 10:50

    ほんとに良かった!最近の堺の人たちはどうしちゃったんだろう?と心配していました。橋下の「慰安婦問題発言」以前は、事あるごとにTVに出ては偉そうに記者に囲まれてる姿が毎日のように映り、何様?なんで必ずコメントを求められてるのか、マスコミの馬鹿さ加減にもほとほとあきれていたけれど、堺の若者や主婦が熱狂的に橋下に期待しているのを見て、ショックを受けていました。「大阪都構想」なるものも、遠く茨城まで聞こえてきたときも「、何をあほなことゆうてはるん?」と受け流していました。まさか・・・本気・・?

    「維新」の危険さ、、逆らう者は排除する絶対君主みたいなことをやりながら「、民主主義」「改革」の言葉でたぶらかされている状況に、堺を愛してやまない者としてほんとにこの選挙は祈るようでした。

    自民・民主も一つになって利権ではなく、堺の未来を守るためにはこういう選挙もあるのだと、ある意味感慨深いものがありました。
    ほんとに、おめでとうございます!

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  6.  ちゅうちゃん コメントありがとう。 堺についてご心配をおかけしました・・と私が言うのもおかしなもんですが。
     誰かが橋下氏に「堺ナショナリズムを甘く見たらあかんぞ」と言っていたそうですが、堺区などではほんとうにそうだったと思います。 しかし、泉北ニュータウン辺りは市議であった候補者の地元ということだけでなく、接戦のようです。(詳しいことは知りませんが。)
     橋下維新に期待する層は、ほんとうは現代社会の一番の犠牲者の層だと思います。なのに・・・
     課題はこれからです。 でも、とりあえず潮目を替えました。 コメントほんとうにありがとう。 

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  7. 終盤で幅広い市民が立ち上がったのも含めて、やはりたたかい方に新しいアイデアを出したことが、共感を広げる点で有効だったと思います。マスコミはまだまだ全然だめですが、マスコミとは違う情報の流れを市民が生み出しているように思います。

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  8.  mykazekさん、 ネット上では「維新に14万票もとらせて・・」みたいな意見もありますが、私は素晴らしい奮闘だったと思います。 例の「日刊堺はひとつ」なんか、なかなか真似のできない知恵とセンスと行動力だと思います。 次は大阪市内でしょうか。

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  9. 毎日、駅頭で配られていたという新聞ですね。そういうのは民主主義の原点であり成果なんやと思います。毎日、違うのを出そうとは、頭も行動も柔らかい!そういう発想をだんぜん支持します。

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  10.  内容と速報性と量がパワーになるということですね。
     ありきたりの切り口や時期遅れやマニアックな規模の大論文ではないのですね。
     心しなければなりません。

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  11.  ちゅうちゃん  懐かしい名前を見つけたと何人かからメールがありました。 それならコメント欄に直接書いてと言ってもそれは書いてくれない、シャイというか、横着というか、歳相応の爺ばかりです。

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