2013年9月23日月曜日

曼珠沙華

  今年の夏は異常な猛暑が続いたので、開花が彼岸よりも遅れるのではないかと心配していたが(何も彼岸花が彼岸に咲かなかっても世の中はいっこうに困らないが)、見事にきっかり彼岸に開花した。

  球根に毒があることや、それ故にモグラやネズミ除けに畦や墓の周りに植えたせいで、葬式花、墓花、幽霊花、死人花、火事花、捨子花、狐花等々マイナスイメージの別名が多い中で、かろうじて天蓋花とか曼珠沙華という孤高の別名を持っているのが救いである。

 また、さらに別の名が「葉見ず花見ず」で、晩秋から晩春まで冬枯れの庭を緑の葉で覆うが、その旺盛な葉が「度が過ぎる」と言って妻が昨冬相当数抜いて捨ててしまったが、写真のとおり残った球根から今秋も律儀に咲いてくれた。

 歳を重ねると庭仕事も大儀になり、針葉樹や常緑樹の日本庭園が楽ではないかと思ったりするが、四季の変化を楽しまないで何の日本人かと思い直し、電子カレンダーよりも正確な曼珠沙華に目を細めている。
 何年か前までは、季節ごとに我が家の花々を論評してくれたお婆さんが近所に3人おられたが、近頃は3人とも全く姿を見なくなった。季節の移ろいよりもそんな変化が少し寂しい曼珠沙華の季節である。

1 件のコメント:

  1.  この美しい花を見て、法華経にある天界の花を思う人は素直だという説があります。
     この花の球根は最後の?救荒作物であったため、知恵ある人がマイナスイメージの別名を流布して保全を図ったという説もあります。
     ・・・という話は美しいことですが、あまりに嘘が多い現代では納得するまでに心は微妙に揺らぎます。
     読者の皆さんは素直にその美しさを肯定できますか。それとも、意図的に流布されたマイナスイメージのために躊躇を覚えますか。

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