妻がポケットからグミの実をたくさん取り出した。
家からすぐ近くの、毎日のように歩いているいつもの道で採ったのだという。
ということは、私も毎日眺めていたはずで、何を「ちょっと秋を撮りにいってくる」だ・・・と、己が観察眼の曇り具合を大いに大いに反省している。
これは秋グミで、夏グミや、もちろんビックリグミと比べると相当小さくて丸い。
植え込みの中に生えているのだが、どう見ても人が植えたというよりは野鳥が運んできて自生したものと思われる。(もしかしたら植栽されたものかもしれない。)
昔、庭にビックリグミを植えたことがあったが原因不明で枯れてしまった。
その一方でこのように自生し大きくなって実をつけているのだから、自然界は偉大である。
去年の秋は楝(おうち・せんだん)の有毒の実を食べて失敗したが、これならそういう心配はない。
タンニンの渋みが後に残るが、渋みは大人の味である。
そう、甘いだけの果物は面白くない。こういう酸味や渋味という雑味を好まないお方とは友達になれない気がする。
さて、「大人の味」とは言ってみたが、やってきた孫の夏ちゃんは秋グミが気に入ったらしく、茎だけ器用にむしり取ってパクパクと口に放り込んだ。なかなか渋い趣味である。
アッアッと言って私が口の中から取り出そうとする前に・・・、実の中の小さな種は出さずにすべて食べてしまった。
まあ考えてみるとトマトも種を出したりしないから、「これもありか!」とその後は全部見過ごすことにした。
秋グミはなかなかに楽しく味わい深い草木である。
余談ながら、私より少し上の世代が歌声喫茶全盛の世代になる。
そして、ダークダックスなどによって私達の世代も何となくそれを知っている。
その中に「ウラルのグミの木」という歌もあったが、原詞はナナカマドだったらしい。
こんな訳(やく)ってあり? と、いつか新進気鋭のロシア文学翻訳者に尋ねてみたいと思っている。
かくして血は受け継がれていく。しかし、傍でハラハラして見ているお嫁さんの心中はいかに?爺ちゃんの家に連れていく回数が減るかも。
返信削除!ひげ親父殿 ズバリ核心を突いたコメントありがとうございます。
返信削除反省しております。
作曲者のエヴゲーニイ・ロディギンという人は1925年生まれで、ご健在のようです。ナナカマドはрябинушкаで、グミはлохですので別のことばです。グミの木と訳したのは、「カチューシャ」も訳された関鑑子さんですね。この人がいなければ、日本にロシア歌謡は入ってこなかったわけですが…
返信削除!mykazekさん コメントありがとうございます。
返信削除で、もし貴方ならどう訳しますか?
もちろん、メロディーに乗るように訳すとして。
秋グミの葉の裏側は白いですか?白かったら田舎ではΓシャシャブ」というものと思います実の大きさは大豆ぐらいですか?子供の頃食べただけですので味は,ほの甘く渋味の強いものだったと記憶しています。
返信削除それにしても夏ちゃんが種ごと食べたというのは驚きです。グミは食べ過ぎると便秘をするということを聞いたことがあります、欲しがるだけ与えて食べ過ぎに注意をしてあげてください。
!茅渟の海さん いま実と一緒に葉っぱを摘まんできました。
返信削除裏は銀色のように艶のある白色的な緑です。表の緑よりも圧倒的に白いです。
間違いないと思います。実は大豆ぐらいです。
「秋グミは四国ではシャシャブ」とのネット上の情報もありました。
味は結構美味しいものです。
そうですか、便秘に注意ですか。ご指導ありがとうございました。