2024年5月9日木曜日

地方自治法改定案

   岸田内閣は、感染症対策や大規模災害対応などを理由として、国が自治体に「必要な指示」ができるよう、地方自治法の一部改定を狙っている。
 
 それを知って私は先ず、コロナ当初の騒動を思い出した。連日テレビが「医療崩壊が起こるから37.5度以上の発熱が4日以上続くまでは医院に行くな」とアナウンスしていたことである。
 そういう報道の結果、重症になった人、自宅で亡くなった人が出てくると、日本医師会釜萢副会長がテレビ番組で「4日も続けば医院に行けという趣旨であって4日以内は行くなとは言っていない」と説明した。
 あの当時のテレビの世論へのリードを客観的に見ると、釜萢氏の発言は事実に反する。もっと言えば自分たちがリードしてきた結果責任を避けるために、言い換え、さらにいえば嘘を言っていると私は感じた。
 もしテレビ局がミスリードしていたというならば、テレビにいくらでも登場可能な専門家として、後に語ったようなことを種々の方法でそれ以前に指摘すべきであった。
 感染症を持ち出しての地方自治法改定の話は、以上の私の記憶からも「非常に胡散臭い」と感じている。

 そもそもの2020年2月のダイヤモンド・プリンセス号にしても、自治労連が編集した「証言」によると、2月4日午後10時ごろ厚労省から自治体へ「陽性患者10名をこれから搬送をお願いしたい」とあり、職員が残業で対応している11時ごろ「下船のリスクが高いことから搬送中止」と連絡があり、職員がいったん帰宅すると、一転して「5日早朝に下船させるので入院先を調整依頼」との連絡があり、職員は一睡もできないまま午前5時に県庁に集合して対応にあたった。
 その結果、横浜市や神奈川県の要請を受けて各自治体も受け入れ、もちろん、対応を拒否した自治体も全くなかった。

 総務省の強い人員削減の指示でマンパワーが不足していた自治体は、多くの情報不足の下でも懸命に仕事をしてきたわけで、反対に方針そのものが迷走していたのは国である。
 その国が、感染症対策には自治体に強い指示(地方自治法改定)というのは全く正反対で、先に私が感想を述べた釜萢発言の再放送を見る思いでいる。
 結局「敵は本能寺」で、沖縄県の辺野古基地問題のような地方自治を強権で押しつぶしたいのだろうから、この地方自治法改定は許してはならないものだろう。
 ※ 余談ながらネットを見ると、日本医師連盟は釜萢氏を次の参院選に擁立し、自民党に公認申請したそうだ。(この記事は、赤旗の『ゆがめられた立法事実』を参考にした)

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