2024年5月11日土曜日

続地方自治法改定案

   一昨日の続きだが、この改定案の岸田内閣の「言い分」のひとつは、能登半島の地震をあげて「大規模災害に効果的に対処する」 と一見合理的に見えるが、これも実態を分析して語る必要がある。

 正月に書いたとおり、1月1日、息子の家族は石川県にいた。その息子ファミリーの報告では、翌日、クルマで関西に帰る高速道路の反対車線は各県(自治体)の救助隊の車両がひっきりなしに走っていたという。それはテレビのニュースでもご存知のとおりのことだが、私がここで言いたいことは、各自治体間では相互の支援体制が元々議論されており、あえて言えば「お国のご指示」がなくとも、広域体制で迅速に対応されていたというはっきりした事実を指摘しておきたい。

 それでも水道事業等の復旧が遅れているのは、公務員の人員削減を最優先に推し進めてきた国の政策による予算と人員の絶対的不足、疲弊こそが一番の問題であろう。
 内閣自身が「大臣の現地入りは控えろ」と言ったような、あえて言えば「復旧しても採算の取れない田舎は見捨てておけ」とでも理解されるような国の姿勢こそが問われなければならない。

 事実、予算が天井知らずに膨れ上がっている万博や、敵基地攻撃能力のためのミサイル配備など、さらにはアメリカの武器購入の約束など、災害復旧の邪魔をしているのが岸田内閣と言わなければならない。

 そもそもこの政策の議論の元となった第33次地方制度調査会では、「非平時」に着目した地方制度の在り方が議論されていた。
 「非平時」が「戦時」の言いかえだと推測するのは常識に属することだろう。
 この問題をわざわざ2回もブログに書いた問題意識はここにある。
 憲法改正議論の中で自民党など改憲勢力は、「非常事にあっては法律の効力停止」という非常事態宣言条項の新設を声高に主張している。
 「非平時」には地方自治体を上から国が指示するという地方自治法改定案は、実質的にそれの先取りとなる。よって大きな声で反対の声をあげていきたい。

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