2024年1月19日金曜日

このニュースに「指導」

   新聞・テレビで報じられた「奈良教育大学付属小学校で不適切指導」というニュースに接し、門外漢ながら大きな違和感を覚えた。

 「不適切」の該当事項は、① 毛筆の授業時間が少なかった。② 毛筆に代えて筆ペンの授業をした。③ 図画工作で教科書を使用せず独自の教材を使っていた。④ 道徳はクラスごとでなく全校集会で行っていた。⑤ 「君が代」は各学年でなく6年生のみで指導していた。・・と報じられている。

 県教育委員会に外部から指摘があって大学が調査した結果だという。
 「外部からの指摘」という言葉では「教育は2万% 強制です」と言い放った橋下徹氏の顏がよぎったが、それはただの感想。
 直ぐに私はトットちゃんを育んだトモエ学園の校長先生も叱られるんだなと連想した。

 先日私は職場におけるマニュアル人間の弊害のことを書いたが、教育こそ教員自身がが授業の準備をして「授業づくり」をしていくべきものではないのだろうか。それに教員を養成する大学の小学校として独自の教材や指導法の研究や実践、もっと言えば試行錯誤しないことの方が「不適切」だろう。

 悪筆の私が言うのも何だが、毛筆はもっと教えてもよいと思うが、現実の社会生活に結びついているという意味では筆ペンという選択は見事に合理的だ。
 新聞記事では保護者説明会で「一般企業であれば終わりだ」といった発言もあったというが、一般企業の論理を持ち込んでは一番いけないのが教育だと思う。

 結局ニュースを聞きながら妻と顔を合わせたのは、「君が代を叩き込めということやな」という感想だった。
 外部の指摘、教育委員会の指導、学校の活力の減退、何回も見てきた悪循環。それに触れないニュースもまたマニュアル人間のなせる業か。

 裏金事件で逮捕された池田佳隆元衆議院議員(元文部副大臣)(いわゆる安倍保守派文教族)も、櫻井よしこ氏絶賛の著書等で「嘘をついてはいけません。道徳心と愛国心を醸成しなければいけません」と指摘されている。(ブラックジョークも極まれり‼)
 
   現場の先生方は真剣に道徳の授業を「つくって」いる。関心のある方は写真の『アニマシオンで道徳』などを読んでもらいたい。
 本件の「外部」や「校長」や「教育委員会」には感じられない真面目な提言がある。
 気に入った「小見出し」だけをピックアップする。
 「善悪の判断、自律、自由と責任」「正直、誠実」「節度、節制」「個性の伸長」「希望と勇気、努力と強い意志」「真理の探究」「親切、思いやり」「感謝」「礼儀」「友情、信頼」「相互理解、寛容」「規則の尊重」「公正、公平、社会正義」「勤労、公共の精神」「家族愛、家庭生活の充実」「よりよい学校生活、集団生活の充実」「伝統と文化の尊重、国や郷土を愛する態度」「国際理解、国際親善」
 ニュース記者もそういう深みのある記事を書いて欲しいものだ。

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