2018年5月22日火曜日

あほらしなったら負け

 働かせ改革法案の高度プロフェッショナル制度というのは、高収入の労働者を「命を守る労働時間規制(1日8時間とか週40時間とか)」から「除外する」するというものだ。
 「高収入」とは出発時点では「年収1075万円」といっているが、経団連は「400万円」を目指している。そう公言している。
 先日の国会で小池晃議員が「月始めに4日休みを与えたら、後の26日は毎日24時間働かせることも可能となる」「この法律はそれを排除しているか」と質問しても加藤厚労大臣はまともに答えない。答えられない。それは可能だからである。

 法政大学の上西教授は加藤大臣の答弁を「ご飯論法」と指摘している。
 「朝ごはんを食べましたか」
 「ご飯は食べていません」(パンは食べたけど・・と陰の声)
 「朝ごはん」を「(お米の)ご飯」と論点をずらしてペテンの答弁を繰り返している!と教授は鋭い。


   私は現職時代多くの過労死・過労自殺事案を担当してきた。
 そこの現実を言えば、「もう死にそうですから休ませてください」「うるさい!働き続けろ」といって過労死・過労自殺に至ったような事案はほとんどない。

 多くは納入先の機械のトラブルのような外的要因などに対処するために、応援体制もない中「自分の職務」だと必死になって仕事を「解決」しようとした真面目な労働者が””自主的に””犠牲になっていた。
 だから、こういう国で、さらに大っぴらに労働時間規制から「除外」されたらどうなるかは火を見るよりも明らかだ。
 この国では真面目な者から壊されてゆく。

 だからこの国で今一番大切なことは、厳格な労働時間の規制であるのに、その「底」を抜こうとしているのが高度プロフェッショナル制度であることは間違いない。正反対の政策だ。
 この悪法は『労働者の命がかかっている』法律だ。大臣答弁のでたらめに「あほくさ」と思ったら負けである。

 思い起こせば、労働者派遣法が作られたとき政府等は「法律を作ってルールを整備していくのだ」と言っていた。
 しかし現実は我われが指摘してきたとおり、今日の非正規雇用、ワーキングプアを生んできた。
 高度プロフェッショナル制度は『過労死製造法』である。
 加計問題で愛媛県から参議院予算委員会に首相の大嘘を覆す文書が提出された。
 澄んだ眼で事実を見てみることが大切だ。
 それでも安倍政権の答弁を信じますか。

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