暦が普及していない時代の庶民(ここでは主に農民)は不自由であっただろうと書いてある文章は多数ある。
だがほんとうにそうだろうか。「種まきウサギ」などの雪形は全国にあるし、そして先日の記事のクマバチのように、自然界の生き物は生きるか死ぬかの判断?で人間の前に現れ季節の到来を教えてくれる。
そういう自然界を素直に見ておれば、太陰暦が太陽暦と乖離した結果の「閏月」などくそくらえと言えようか。
そういう気になれば「ああ自然は何と偉いんだ」と思うことは無数にある。
奈良公園の吉城園を訪れた。
モリアオガエルの産卵をこのブログで「実況中継」したのが昨日のことように思われるが、概ね1年が過ぎたことになる。
写真のとおり、池の上の木に卵胞を見つけた。親ガエルも1匹だけ見つけた。鳴き声も聞いた。
入梅の遠くないことをモリアオガエルは教えてくれている。
これはそれで暦である。
今日は私がモリアオガエルを観察している間に観光客は一人も来なかった。メインコースには人があふれているのに。
こんな珍しい卵胞を見ずに帰るなんて・・・、もったいない。
吉城園の外に出ると奈良公園は遠足の子どもたちで大賑わいだった。
休憩している子どもたちに「奈良公園のエビフライ」を見せて「これは何だと思う?」と話してあげた。
変なおじさんが話しかけてきた!とも言わず、ムササビの食べ滓という答えに概ね感動してくれた。
この頃奈良公園の遠足で流行っているのは、外国人へのインタビューである。英語でどこから来たかなどと修学旅行や遠足の子供たちがインタビューしている。
しかし対象は明らかに欧米人である。中国や韓国や東南アジアなどの人々にインタビューしているのは見かけない。少し違和感がある。
そもそも、せっかく外国人の多い奈良に行くのだからこの機会に実践的な英語の経験をさせようという学校の意図がもひとつ私には判らない。本末転倒ではないのだろうか。
奈良は、やはりこんな機会に古代の歴史を感じさせることの方が本筋ではないのだろうか。
さらに奈良公園には、鹿、原生林、黄金虫、野鳥、蛙、猪、ムササビという教材もそろっている。「鹿の保護と鹿の害」を考えていい。「文化財の保護と街づくり」というテーマでもいい。門外漢ではあるが少し違和感を感じている。
先生方、あの欧米人へのインタビューという学習は止めさせませんか?
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