2014年4月8日火曜日

木賊科の土筆

  家の正面に「木賊(とくさ)」を植えている。
 秋篠寺など南都の寺院の苔むした庭にひっそり植わっている風情を真似てみたつもりだった。
 だから、だいぶ以前に近くの池で生えていたのを少し採取して移植したのだが・・・・・・、
 ところが、地下茎と胞子で爆発的に増え、しかも、園芸店で売っている木賊や、ましてや寺院の庭園の木賊とは異なって、高さが1m半にも成長した。茎も太い。
 となると、和風庭園の風情とは程遠いものになり、ほとんどの人々は「それは何ですか?」というぐらいだった。
 ただ、茎にガラス質の何とかがあるので昔から「砥石」代わりに使われていたとかで、銅鏡を磨くときに使用したらけっこうなサンドペーパーだった。
 写真はその胞子嚢である。

  春を代表する土筆んぼが木賊科だということはこの胞子嚢を見ると一目で納得できる。

 妻が土筆を採ってきた。
 卵とじを作って孫のところに持っていって土筆んぼの講釈をしてきたらしい。
 「夏ちゃんは土筆んぼを知らなかった」と自分の「教育効果」を自慢していた。
 来年あたりは土筆とりに連れ出すことだろう。

  後日、夏ちゃんとお花見に行った。
 お花見の場所として有名なところだったので、老人施設の方々もやってきて、スタッフが指導して合唱が盛り上がっていた。
 だから、「ここでは歌を歌ってもおかしくないんだ」と感じたのだろう。
 イベント用につくられていたステージの上で夏ちゃんが『潮騒のメモリー』を大きな声で歌って周辺の皆を驚かせた。
 こういうあたりは祖父ちゃんよりも幾倍も度胸も実力もある。
 祖父ちゃんは、土筆んぼのように、このまま小さいままでいてくれたらいいのにと思っている。

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