2019年5月8日水曜日

土偶大好き 1

 先日放送されたNHK・BSプレミアム『 英雄たちの選択▽追跡!土偶を愛した弥生人たち~縄文と弥生をつなぐミステリー』は結構面白かった。

   私も何回か行ったことのある大阪府立弥生文化博物館は、大阪府和泉市池上~泉大津市曽根の『池上曽根遺跡』の上にある。
 日本を代表する弥生遺跡であり、全国で唯一「弥生」にズームアップした博物館である。
 今回の放送は、以前にここの博物館で私が疑問に思った「何故弥生の博物館に石棒があるの?」と関連していた。

 放送のキモは次のことであった。
 大陸から伝わった水田稲作と青銅器・鉄器を特徴とする弥生文化が、北九州から東・北に向かって、瞬く間に縄文文化を席巻して弥生時代が到来したというのがこれまでの通説だった。
 ところが近年、縄文時代の流れをくむ土偶が、少なからず近畿地方の弥生の遺跡から出土していることが報告された。
 縄文時代の流れをくむ土偶や石棒を好んだ弥生人が近畿地方にいた!
 近年発表された衝撃的な仮説を徹底検証し、知られざる縄文から弥生への移行期の謎に迫る。
 縄文系弥生人の存在が浮かび上がってきた。

 放送を観ながら私は何度も肯いた。
 例えば、陶器よりも磁器の方が軽くて硬くて絶対に質は良い。それでも陶器の方が何となく好きな自分がいる。
 理数の論理が好きだが、山や大岩に神を見る信仰も嫌いでない。
 小学校の教室に貼ってあった時代区分年表は「そんなに単純ではない」と省みる必要がありそうだ。
 夏ちゃんからは大阪府立弥生文化博物館に連れて行ってと頼まれている。夏ちゃんはこの頃土偶が好きらしい。 

 閑話休題
 大阪維新は「大阪府立弥生文化博物館と大阪府立近つ飛鳥博物館と二つあるのは二重で無駄だから弥生文化博物館を廃止せよ」と主張した。
 弥生時代と古墳時代の区別もつかない噴飯ものだが、結構マスコミにも取り上げられて危険な状況にあるのは間違いない。
 池上曽根遺跡は大阪なので徹底的な発掘がされていないが、ほんとうに発掘されたなら吉野ヶ里遺跡を超えるだろうともいわれている。
 弥生も古墳も解明されなくても今日明日の生活には困らないかもしれない。しかし、ほんとうにそれでいいのか。人はパンのみに生くるにあらず。

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