2017年11月4日土曜日

標的の村

   三上智恵監督の映画に「標的の村」「戦場ぬ止み」「標的の島風かたか」という三部作があるということだけは知っていたが私は全く観ていない。
 昨日、監督の講演と最新作の上映のチラシが配られたので話題になると、友人たちは「旧作品は観た」「今夜観に行く」「近々観に行く予定だ」という声であり、私の非文化性が明らかになった。

 上映の機会が少ない田舎ということもあるが、結局はわずかなチャンスを見逃してきたのだと思う。

 私が書籍で知っている「標的の村」は写真のものである。
 映画の主題と合っているかどうかは知らない。
 よって、手元の書籍に基づいて以下を書く。

 いま沖縄北部(やんばる)の高江集落をぐるりと取り囲むように6つのオスプレイ用の発着場(米軍と日本政府はヘリパッドと呼んでいる)が造られようとしている。2つは完成済み。
 高江の住民が反対運動をしているが、その理由は単に「近くに造られて迷惑」というようなレベルでなく、このヘリパッドは『高江の住民や家屋を標的(ターゲット)に見立てた軍事訓練をするもの』だからである。

 写真はベトナム戦争時のものであるが、小高い丘の上のまるで貴賓席から米軍の幹部たちが見下ろし、徴用された高江の住民がベトナム人(いわゆるベトコン)の格好をさせられ、その住民を掃討するというゲリラ戦の訓練をしているのだ。

 そして現在も、オスプレイは高江の住民の頭上60m、さらにはそれ以下で日常的に訓練をしている、
 ちなみに日本の航空法では、航空機は地上150m、人口密集地では300m以上と定められている。
 三上監督の映画は、こういった沖縄の現実を記録しているのだろうか。

 これが安保条約というものである。
 自公に希望、維新はこういう安保体制を守るという。
 いわゆる保守の方に問いたいが、これが誇りある独立国家ですか。これを従属と言わずに何というのですか。
 中島岳志氏が「ほんとうの保守は政策では共産党と一致する」と公言されているのも大いに私には肯ける。

1 件のコメント:

  1.   自分の住んでいる集落(街)が戦争訓練の標的にされたら誰でも怒ると思う。それが他人の、沖縄の集落なら知らんふりでいいのでしょうか。「そんな事実を知らなかった」と言う前に、マスコミを超えて真実を知る努力をお願いします。
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