写真の左の土瓶である。
以前に書いた東大寺福祉療育病院のバザーに善意の陶芸家が提供してくれたもので、私が以前から持っていた少し大きい右の酒杯と釣り合っているように思う。
冷酒で飲むなら瓶から直接注いでもいいというものだろうが、やはり気に入った酒器を通すと同じ酒も旨くなる。
遠い昔だが、ブログ友達のスノウさんに「料理に器なんか関係ない」と言って顰蹙を買った。
別のブログ友達のひげ親父さんも器フェチに見える。
彼らには遠く及ばないし、なにしろ貧乏年金生活者だから贅沢はできないが、これぐらいは妻に許して貰おう。
和辻哲郎に対する亀井勝一郎の批判にこんなのがあった。「和辻は仏像を美の対象として見るのみで信仰の対象として一顧だにしていない」というものであった。
その伝でいけば、酒器は戸棚に飾られてナンボのものでなく、実際に使われてこそのものだろう。
そういうことで、久しぶりに老夫婦で杯をやりとりした。
「純米 原酒 豊祝」は奈良の酒である。
寒波きて酒器引っ張り出す夜長かな
本文で適当な事を書いてしまったが、底を見ると「泉窯 光包」の裏印があった。松本政昭氏の作品らしい。
返信削除酒器も盃も良いですね。右側のお造の魚が気になります。ぶりですか?かんぱちかな?身の白さが気になります。
返信削除スノウさん酒器をお褒め頂きありがとうございます。なお肴はありきたりのぶりでした。味覚が堕落したのかもしれませんが、天然ぶりよりも養殖ぶりの方が美味しく感じられて自分でも戸惑っています。養殖技術が進んだのだと自身を説得しています。
返信削除注ぎ口の形が写真ではもう一つはっきりしませんが筒ならば土瓶、上が開いていれば片口という事になると思いますが、ま~その辺は置くとして、右の盃とピタリと肌合いが合っていていいです!合格です。豊祝は伏見の酒だと思っていましたが奈良豊祝もあったとは初耳です。
返信削除1 普通の土瓶のように上部は円形に閉じていて肩の前後に耳があり弦の取っ手があります。2 注ぎ口は普通の片口のように筒ではありません。3 また普通の片口同様蓋もありません。
返信削除となると、これは片口ですか? 土瓶と片口のハイブリッドみたいですが? ひげ親父さん、ご教示ください。