2014年12月10日水曜日

傾聴に値する

画像と本文とは直接的には関係がない
  元外交官、政治学者・浅井基文氏のWeb上のコラムを読んで感心した。抜粋するとこうだ。
 「近ごろのマス・メディア各社の世論調査の結果を見ていると、一見理解不能の現象が現れています。それは、安倍政権に対する支持は軒並み低下している一方で、今回の総選挙の結果に関しては自民党の一人勝ちを許す有権者の投票行動になりそうだというものです。
 …明らかなことは、安倍政権ひいては自公政治に対して主権者・国民が期待をつないでいるということではあり得ません。原因としては、主権者・国民が野党に対して「自民党以上に期待が持てない」と判断しているということ以外にありません。
 …しかし、本当にすべての野党がだらしなく、ダメなのでしょうか。そうではなく、主権者・国民が「野党は全部ダメだ」と考えてしまうところに本当の問題があるのではないのでしょうか。端的に言えば、民主党、維新、次世代、改革などは「目くそ鼻くそ」だとは私も思いますが、共産党は違うと思うのです。
 正直言って、私は共産党のすべての政策に同意し、納得しているわけではありません。
 …しかし、憲法をはじめとする内政問題の多くと平和・安全保障問題に関しては、共産党の主張・政策は説得力のある内容があります。
 …厳粛な事実は、圧倒的により多くの主権者・国民が「共産党及びその候補に投票する」という態度決定に踏み切れていない、もっと率直に言えば、そのような可能性は考慮の中に入っていないことです。
 その原因はもちろん共産党自身にもあると思います。
 …(が)それらの根底にあるのは歴史的にすり込まれてきた「アカ意識」であり、「既成事実という現実に弱い」私たちの国民性です。
 …私たち主権者・国民が今度の総選挙でまなじりを決した投票行動に踏み切ること、即ち大挙して共産党(比例)及びその候補(小選挙区)に日本の進路を託してみるという意思決定のみが保守政治の暴走をチェックできると確信します。
 共産党は信用できないという人も少なくありませんが、共産党が大躍進して主権者・国民の信託を裏切ることがあれば、その時は私たちが改めて共産党を懲らしめれば済むだけの話です。
 …自民党が目の色を変えるだけの共産党の大躍進が日本政治をこれ以上誤らせないためには不可欠です。」

 このコラムを読んで、メディアにも登場するいわゆる学者・評論家の皆さんが、政府を批判しても「だから共産党」とはなかなか言わない状況に対しても痛烈な批判になっていないかと強く思った。
 そして、メディアにもたびたび登場する氏の渾身の主張であり正論のように感じた。
 これは抜粋なので、氏の見解の全てを肯定するわけではないが、論旨は非常に的確な指摘だと思う。
 氏の想定されている「望ましい状況」の前夜であることは違いない気がする。
 全文は「浅井基文」で検索するとすぐに出てくる。

2 件のコメント:

  1.  長谷やん、浅井基文氏のコラムの抜粋、非常に興味深く読ませて頂きました。
     浅井氏の良識派ではあっても、共産党の支持者とは言えないスタンスからすれば、本当に勇気のある一歩踏み出したコラムだと感心しました。それだけ浅井氏が、暴走する自公政権と、それに抵抗できない野党の弱腰に、かつてない危機感を持たれたのだと思います。
     今の政治状況に同様の危機感を持っている多数の有権者に大きな影響を与えるものだと思います。
     それにしても長谷やんの、情報収集のアンテナの性能の高さには驚かされます。これからも貴重な情報を発信してください。

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  2.  和道おっさんコメントありがとうございます。
     おっしゃるとおり、リベラル派と思われる学者・評論家の多くが安倍内閣の危険性を口を極めて指摘していながら、その対抗策を提示せず若しくは「野党共闘」だとか「現実的には民主党」ということが多い中で、浅井氏の誠実な論には頭が下がります。
     そして、そういう「弱い国民性」の根性のようなものが自分のシッポにも付いているようで反省します。

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