妻がテレビで知ったとかで、「奈良公園にエビがいてるのを知ってる?」とナゾナゾのように聞いてきた。
すぐに答えは出なかったが、こちとらは谷幸三先生に奈良公園の自然を教わったばかりである。
「エビのシッポ! ムササビの食べかす!」と正解をして、「何でそんなこと知ってたん」と妻を驚かせた。
しかし残念なことに、この知恵は谷先生からの耳学問でしかなく、全く地に足が着いていない恥ずかしいものだった。
そこで後日、エビのシッポを探しに行こう!と、夫婦で奈良公園へ出かけてみた。
このお盆の時期、奈良公園にはバンビともいえないほど小さな子鹿がたくさんいて散歩が楽しい。
手土産に持参したドングリ(昨秋収穫しておいたもの)を鹿たちに振舞いつつ、ムササビのいそうな大木、古木の下を探し回ったが、エビのシッポはなかなか見つからなかった。
半分以上あきらめて帰りかけた時、妻が古いエビのシッポらしいものを見つけてくれた。
すると、その近くのあまり大きくもない木の下に、樹上におけるムササビの宴の痕・・・。疑いなく耳学問どおりの「現場」があった。
それは、まだ青い松ぼっくりの鱗のような一枚一枚の種を食べ、その滓を食べ散らかし、最後に種を食べつくして松ぼっくりの芯と先っちょだけになり、それがほんとうにエビフライのようになったものが散乱しているという一種異様なものだった。
なるほど、「エビフライ」とか「エビのシッポ」と言われるはずである。
的確な命名?に感動をすら覚えた。
その食べ滓の感じではまだまだ新鮮そうだったから、今朝方数時間前までこの樹上でムササビが食事をしていたかと思うと心がウキウキした。
ムササビですよムササビ。
他方、目を人間界に向けると、ここでは文句なしに皆んな穏やかなコスモポリタンになると思う。
奈良公園で、中国語や韓国語をはじめとする各国語を耳にしながら散歩していると、自然に心が優しくなる。
そして、この国でこの公園でヘイトスピーチをした人々が愚かに思えてくる。
同時に、この豊かな自然と宗教空間を無視してハリボテに似た観光施設を「整備」したがる人々を思うとこれも悲しくなる。
さらに正直にいえば、この観光シーズンだというのに店を開けるのが遅いし閉めるのが早い、さらにはウィークデイだからと店を閉めたまま、さらには、「お盆休み」との貼り紙を見ると、言い古された言葉だが「大仏商法」ではないかとうんざりする場面もないことはない。
まあ、こちとらはそんな場面は見流し?たり聞き流しておいて、ムササビやセンチコガネと楽しく会話するから「お勝手に」と言ったところだが・・・。
食べ散らかせたエビフライの痕を眺めていると、先ほどまで私がその宴に参加してドンチャン騒ぎをしていたような愉快な想像の翼が広がっていく。
携帯に孫から「遊びに行っていい?」と電話があったので、ムササビの夢から覚めて、ランチも止めて大急ぎで帰宅した。
よくも、まー!あの広い公園で珍品を発見されましたねー。長谷やんご夫婦の奈良公園への想い!愛されているのがよく分かります。そして情けない人間の業に対する義憤も!
返信削除今日の記事は、ちょっと自分でも自慢をしたいトピックスです。 えへん。
返信削除しかし、ほんとうはムササビ君ときっちりご対面をしたいのです。
その気になれば十分可能らしいが、夜は早々と帰宅の上冷房をきかせてビールを飲むので実現していません。
という意味では、このトピックスは幾分消化不良です。
奈良公園のエビフライの事は私もNHKの番組で見ました。奈良公園の鹿、外国人観光客には、あれだけの大勢の野生の鹿(古から保護されているが)と触れ合えることは珍しいそうです。
返信削除公園のムササビ、ビールを我慢して撮影してください。今年の十大ニュースで、チョウゲンボウと張り合いましょう!
高知ではムササビのことを「モマ」と言います。木から木にグライダーのように羽を広げて飛ぶそうですが、我家の近くにはいません。おるかも知れませんが、見たことはありません。四国山地の山奥にはたくさんいるそうです。高知県の山奥の道の駅に「633美の里」と言う場所があります。ムササビの里と読ませるそうです。奈良公園でムササビを撮影出来たら、尊敬致します。
返信削除ひげ親父さんは何でもよくご存知ですね。そして、あなたのチョウゲンボウには追いつくことはできません。
返信削除バラやん、モマというのは初めて聞きました。
ちょっと奈良公園を見直していただけたでしょうか。
若草山のモノレールはいったん棚上げになりましたが、バス道路を整備したいですと・・・・・懲りない人々です。