候補地は生駒市や大和郡山市等にもある。
さて、東京・大阪間を1時間で結ぶリニア新幹線は観光客を奈良に呼び込んで奈良に泊ってくれるだろうか。そんなに甘くはなく、否、今以上に日帰り観光地にならないか。
莫大な地元負担金を負担してリニア奈良駅を造ることにどれほどの意味があるだろう。
知事や市長、地元の経済人は澄んだ眼で「費用対効果」を弾いてみてほしい。
今現在、東北新幹線や九州新幹線まで繋がる東海道新幹線京都駅改札口正面に近鉄の駅がある。そこから約35分で大和西大寺、45分もあれば奈良駅に到着する。
リニア奈良駅ができたとしても、奈良駅に停まる列車はどう考えても1時間に1本だろうから、東京駅(品川駅)までの所要時間は実質的には大して変わらないのではなかろうか。
それでも、奈良駅というのと京都駅というのでは東京の人びとへのアピール度が違うと、きっというのだろう。
それでも費用対効果はペイしないと私は思う。
結局、「私が誘致した」という自慢話と、土地や工事を巡る利権に加わりたいというものではないのだろうか。
今現在でも、奈良の人は東京への日帰り出張が容易である。大阪の人以上かもしれない。
近鉄のダイヤさえ充実すれば、リニア京都駅で何ら差支えないと、候補地近辺の私は思う。
問題は近鉄だ。京阪の特急は綺麗で速くて、何よりも無料である。
地元政治家は近鉄の有料特急優先策を改善させないか。そこはタブーなのだろうか。
立派な瀞ホテル |
しかし、この列島が国民にとって住みやすい場所であるためにはどうあるべきかの議論を再考する時である。
朝日新聞8月1日付け夕刊に加戸論説委員が「リニアは幸せの青い鳥か」と、名古屋大阪間同時開業要望に浮かれる関西の人びとに問題を提起している。東海道新幹線開業以来半世紀の間に進んだ東京一極集中(ストロー効果)と大阪の地盤沈下を必死に考えるべきだと。同感である。
先日、息子たち家族が紀伊山地の最奥の瀞(どろ)八丁に行ってきたという。そして言うには、便利な道路が造られて皆が日帰りするようになったので、大正6年創業の有名で立派な瀞ホテルが宿泊できなくなっていたと。実質的にホテルとしては閉館したと。こういう話は全国に散在している。
ただ、生活道路が便利になるのは悪いことではないから、ほんとうに冷静な議論が必要だろう。
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