先日、家の裏の自転車置き場で蜥蜴の子供が蜘蛛の糸に捉えられていた。写真のとおり、尻尾を上にして半ば釣り下がっていた。
この場所からするとハエトリグモに似たごく小型の蜘蛛で、子供といえども蜥蜴は手に余るのではないかと思うのだが、朝、出かける時に引っかかっていたのが、夜、帰って来た時にも引っかかっていたから、その時は蜘蛛の糸の丈夫さにほとほと感心した。
蜥蜴が食べられても、逃げたとしても我が家の生活にあまり問題はないからそのままにしておいたが、数日後にはそのあたりを妻が掃除をしたから、結局どうなってどちらが笑ったのか結末は判らない。
そんな風に蜘蛛の糸の丈夫さに感心していたら、8月20日の朝日新聞に「合成生物学で人造クモの糸」を作る記事が朝刊トップに載っていた。
いわく「世界で一番タフな繊維で、車体、防弾チョッキ、人工血管などに応用できる次世代素材の注目株」らしいが、要するに微生物の中に別の遺伝子を組み込むという。
朝日新聞は「生態系破壊やテロの懸念も」と大きな中見出しを立てていたがそのとおりだろう。
科学技術の持つ恐ろしい一面と科学者の倫理を湯川秀樹氏やアインシュタイン氏が唱えてから多くの時を数えたが、今や原発にしても「合成生物学」なるものにしても、地球の破滅と紙一重のようなものである。
と思う私の感情が時代遅れという保管箱に分類されるようなものかもしれないが、現代社会こそ「正邪」や「倫理」を語るべきときだと思う。
でないと全人類が蜘蛛の糸にぶら下がったカンダタと同じ運命に陥らないだろうか。
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