構音障害の方は、頭の中では正しく「眼鏡」と判断していても口からは「傘」というように声が出てしまうのであり、決して思考が無茶苦茶になったわけではない。
そういうことについて、相当昔のことになるが、脳外科の先生に研修を受けたときの記憶が、私には比較的鮮やかに残っている。
そして、的を射ているかどうかは知らないが、これに近い感覚(頭の中では的確に判断されているに違いないという感覚)を老朗介護の現場(というよりも周辺)で実感することが時々ある。
だから、老朗介護や認知症について私は全くの門外漢ながら、私のポリシーとして、親や保育士が幼児に話すような態度は一切とらず、入所の皆さんとも大人同士の会話、一緒に子供に返って遊ぶような態度を常に心がけている。
(介護の施設に綺麗な花束を持参される方は多いが、雑草を持参するのは私だけのよう・・・)(だから高価な花束より元手0円の方がサプライズになって格段に喜ばれるというのも実に可笑しい。)
そして、ひとしきり盗人萩のくっつけあいをした後に、エノコロ草をニギニギして毛虫のように動かせてみたところ、スタッフも含めこれが意外に新鮮に驚かれ、「本物みたいに怖いわ」と言う方も出てキャーキャーと大いに盛り上がった。(このニギニギ毛虫の好評は想定外・・・だった)
経験的に言えば、今朝のような天気の悪い日は部屋全体が鬱になる傾向があるので、ひと時ではあるが多くの入所者が子供時代にタイムスリップして、不自由な手で毛虫を出してみたりして喜んでくれたのは嬉しい。
帰り際、何人かの入所者から「また来てね」とお願いされた。
蛇足ながら、エノコロとは犬の子のことであり狗尾草と書かれる。そして英語では foxtail grass(狐尾草?) 。ニギニギの毛虫よりも、こういう解説を喜ばれる方もおられるので、老朗介護(実はただの面会)も「だんどり八分」である。
絶対に「あり」ですね。ニギニギの微妙な感覚、力の入れ具合は脳神経を刺激すること間違いナシ、素晴らしい!
返信削除ひげ親父さん。あのニギニギは老朗介護の場では相当ハイグレードな動作です。毛虫の出てくる確率は数%です。ハッハッハ
返信削除大正生れ生駒育ちの義母はこの草を「狐の尻尾」と呼んでいた。
返信削除発想が英国人と全く同じだったので驚いた。