2018年8月11日土曜日

ローマ教皇のカード

 カトリック中央協議会によると、今年1月にローマ教皇フランシスコが作成したカード(年賀状?)の日本語版が7月に完成した。

   写真はアメリカ人従軍カメラマンが長崎で被爆から遠くない時期に撮ったといわれている。
 一般に『焼き場に立つ少年』として有名で、少年は妹の順番を直立不動で待っている。
 カード裏面には「戦争がもたらすもの」との教皇フランシスコのことばと署名があり、さらに写真について「・・・この少年は、血がにじむほど唇を噛み締めて、やり場のない悲しみをあらわしています」といった説明が添えられている。

 教皇が新年のカードにこの写真を採用された見識にはこころから敬意を表したい。
 そして、翻って日本のマスコミの鈍感さを感じている。
 いや待て、鈍感なのはマスコミだけだろうか。

 さて、8月7日の『広島のYさん』で、「私がいくら勉強してもYさんの夜の恐怖感は共有できないと思うが、しかし私は、そんなYさんがいた。きっと文字にできないほどの恐怖だったのだということを伝言ゲームのように継承することができる。 
 なので、毎年8月に長谷やんがこんなことをくり返し書きよんねんということでも広めていただければ幸いだ」と書いたが、9日の田上長崎市長の『長崎平和宣言』の中に次のようなくだりがあった。

 平和な世界の実現に向けて、私たち一人ひとりに出来ることはたくさんあります。被爆地を訪れ、核兵器の怖さと歴史を知ることはその一つです。自分のまちの戦争体験を聴くことも大切なことです。体験は共有できなくても、平和への思いは共有できます。と。

 安倍政権の傲岸不遜な態度を見ていると草の根的な運動が無力に見えたりするが、明らかな事実は、世界の大勢は国連において核兵器禁止条約を採択したのであり、各国においてその批准を求める運動が目に見えるほどに進んでいるということだろう。

 同時に私たちは、唯一の戦争被爆とともに15年戦争の侵略の歴史にも視野を広げ、現実に生起している戦争準備の諸政策ともつなげて理解し行動することが大切だと思う。
 

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