2015年8月11日火曜日

若草山に眠る皇妃

  新聞報道によると、奈良県は7日、若草山モノレール構想に代わるバス道路建設案についても、これを凍結すると発表した。吉報である。
 今後は、山頂の駐車場へ既存のバス運行ルートを延長するなどのソフト整備による移動支援を検討するそうだ。これは賛成。
 以前のブログに書いたが、知事は当初「モノレール反対は考古学一派の少数意見だ」とうそぶいていたが・・・・、広範な階層から寄せられた世論の勝利だと思う。
 私のところにも多数の署名が寄せられ中継させていただいたが、ご協力いただいた方々に心から感謝したい。

 さて、若草山頂上の絶景ポイントに鶯塚古墳がある。4世紀末~5世紀初頭築造といわれている全長103メートルの大型前方後円墳で、清少納言は「みささぎはうぐひすのみささぎ・・」と記している。
 眼下に後の平城京、北には後の恭仁京を一望できる、標高300メートルの山頂という、こんな超一等地に葬られた者、葬った者は誰だろうか。
 明治以前は、記紀に夫の浮気を許さなかった自立した女性として特筆されている仁徳天皇の皇后・磐之媛命の御陵とされていたが、確率の高い推定なら大王家に次々と皇妃を送り込んだ和爾氏(後に春日氏)出身の皇妃の御陵のような気がする。
 奈良にはこんな超ド級の遺跡がごろごろあり、「奈良公園には何回も行った」「若草山にも何回も登ったこともある」という人々もごろごろいるのに、鶯塚古墳を知らない人は多い。

 私はモノレールやバス道路よりも、鶯塚古墳を発掘調査した上で、復元すればよいと思う。
 若草山の頂上に円筒埴輪に囲まれた前方後円墳の往時の姿・・・・、
 平城京、東大寺、春日大社以前のヤマトも貴重な歴史だし、奈良時代だけが奈良の歴史ではない。復元された鶯塚古墳は素晴らしい観光資源にもなると思うのだが。
 そんなことを言うと、開発至上主義者につまみ食いされるだけだろうか。

2 件のコメント:

  1.  私も若草山には数回登ったことがあります。山頂に蛍塚古墳があるとは知りませんでした。もし復元されたら行ってみたいと思います。
     話は変わりますが、坂若草山の12倍以上の高さのある富士山に登りました。嫁さんも一緒に登りました。感動の連続でした。天気が良くてご来光も拝めました。下山が大変で、嫁さんの感想は「一生の内で1番苦しい目に合った。二度と登らない。しかし、忘れられない美しい自然の景観を見させていただいた。」ご来光の直前は、山背だよりのバック画面のようでした。

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  2.  感動が伝わってくるコメントありがとう。私は標高第3位の奥穂高岳までしか登っておりません。それにしてもリタイアしてからの富士登山挑戦というその気力に乾杯です。登山は体中の細胞を活性化してくれます。きっと病気も退散するでしょうが、医学も大事に考えてください。
     PS 蛍塚ではなく鶯塚(うぐひすのみささぎ:清少納言)です。念の為。

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