2014年11月27日木曜日

チキンレース

  チキンレースは、崖などに向かって2台の車を激走させ、先にハンドルを切ったり飛び降りたりした方がチキン(臆病者)として敗者になり屈辱を味わわされるというもので、ジェームス・ディーンの『理由なき反抗』(1955年)で有名になった。あまり気分のいい話ではない。
 そんな言葉が毎日新聞の記事の中に登場したのでオオッと思ったが、橋下、松井両氏が「やったらやりかえす」と公明現職の衆議院議員の選挙区に立候補しようとした騒ぎの中で、維新の市議が「公明への最後のチキンレースだった」と述懐したというのである。
 だとしたら、橋下氏らは大義名分も何もなしで公明を脅しただけのもので、かつ、先に飛び降りた臆病者だということを自ら告白していることになる。
 それにしても、政治の世界でチキンレースを仕掛ける彼らの精神は私は生理的に受け付けない。

 ところで、核抑止力論というものがある。
 核兵器は使う気はないが「使うぞ、使うぞ」と脅して平和を守り戦争を抑止するという考えで、結構少なくない人々に承認?されている考えである。核というほどではないが戦力・軍事力と読み替えると世界中の国のもしかしたら多数意見かもしれない。
 しかし、これって結局はチキンレースではないかと私は常々疑問に思っている。
 少し考えてみてほしい。一般社会でも一番「怖ろしい」のは会話の成立しない‟キレてる人物”である。
 同じように、キレていない「国」は軍事力が強大でも怖くないのではないだろうか。
 抑止力論が成立するためには、必ずもしかしたらキレることのある「危ない国」であることが必要である。
 そういう核抑止力的外交をバートランド・ラッセルは瀬戸際外交と評したが、外交のチキンレースで勝つのは「何を考えているのかわからない」「独裁者が面子のためには国民の犠牲も顧みない」危ない国だろう。
 「あの国は絶対に核のボタンを押さない」と皆が思えばチキンレースは成り立たないから、「あいつは最後には何をするかわからない」奴しか勝者にはなれないと私は思う。
 第二次世界大戦後この理論というか信仰が信じられてきたのは、事実として、米ソの二大大国が度々「キレて」他国を侵略し戦争をしてきたからである。
 思い起こせば、よくここまで核のボタンを押す奴が出てこなかったものだというのが率直な感想で、不思議なくらいである。
 だから私の感想をいえば、核抑止力論は常に戦争の危険を膨らませている。
 チキンレースでせめぎ合えば、降りたくて仕方がなかっても観衆の手前、国のリーダーがぎりぎりまで降りられない事態は必ず生まれる。そのぎりぎりのタイミングを外せば・・・・そんなことが起こらないとどうして断言できるだろうか。
 21世紀の今日、本気で、軍事力ではない「北東アジア平和協力構想」的な外交を大きな声で語るべき時ではないかと思っている。それは臆病者の主張ではない。
 ASEANは現実に踏み出している。日本共産党のいう「北東アジア平和協力構想」は韓国では大きく注目されている。こんな理性的な政党がもっと大きくなればいい。

 ※ 北東アジア平和協力構想
     ① 紛争の平和解決のルールを定めた北東アジア規模の「友好協力条約」を締結する。
     ② 北朝鮮問題を「6か国協議」で解決し、この枠組みを地域の平和と安定の枠組みに発展させる。
     ③ 領土問題の外交的解決をめざし、紛争をエスカレートさせない行動規範を結ぶ。
     ④ 日本が過去に行った侵略戦争と植民地支配の反省は、不可欠の土台となる。

 この構想の主旨は、日本共産党が提案し、9月のアジア29か国75政党により開催されたアジア政党国際会議で全会一致で採択されたコロンボ宣言に盛り込まれた。

2 件のコメント:

  1.  ジェームス・デイーンが映画俳優ということしか知らなかった中学生の頃、交通事故死したことが話題になったことがありました。当時エデンの東も理由なき反抗もなにも知りませんでしたがどういう訳か彼の名前だけは知っていました。後でエデンの東の主題歌がヒットして思い出した程で、彼が出演した映画は観た記憶がありません。
     ところで抑止論のことについて、核兵器は脅かすだけで使用するつもりはないと言うのは嘘やと思います。アメリカやEU諸国がイランや北朝鮮の核開発を躍起になって阻止しようとしていることからも、自ら保有している核兵器を全て廃棄しようとしないのも、いつか使用するかも知れない?と考えているからやと思います。
     紛争の解決には、北東アジア平和協力構想に基づき早急に友好協力条約を締結し何よりも話し合いによる解決が何よりも大切やと思います。
     集団的自衛権行使などとんでもないことで何がなんでも阻止しなければと思います。
     「国民の生命(いのち)を守ると繰り返す、兵なる人の生命はいずこ」赤旗新聞に投稿された句です、誰であれ他国のために命を投げ出すことを望む人は織りません。

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  2.  chinunoumiさん、「使用するかもしれないと考えている」との指摘は重要かもしれません。圧倒的多数の米国市民は「ヒロシマ・ナガサキに原爆を投下したから戦争は早く終わった」「核爆弾は少し大型の爆弾」という理解の程度という指摘もあります。事実、イラクには劣化ウラン弾が使用され多くの二次被害(身体障碍のある出産等)が発生していますが、あまり知られてもおりません。ほんとうに核戦争になれば勝者なき地球崩壊です。今こそ、「目障りな近隣諸国を黙らせるためには強硬手段も」というような世間話レベルの話を容認するのでなく、本気で北東アジア平和協力構想などを語る必要があるように感じています。

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